仙台赤十字病医誌　Vol. 12, No. 1, 89-94, 2003

技術研究

小児頭部CT検査における撮影条件の検討

仙台赤十字病院　放射線科

三浦　一隆　　安彦　　茂　　横山　高広
小林　新一　　玉川　正志　　高橋　　徹
前田　美樹　　高橋　和義　　花田　和夫
岡田　秀人

Consideration of Radiation Dose in Pediatric Head CT

Department of Radiology, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Kazutaka MIURA, Shigeru ABIKO, Takahiro YOKOYAMA, Shinichi KOBAYASHI,
Tadashi TAMAGAWA, Tohru TAKAHASHI, Miki MAEDA, Kazuyoshi TAKAHASHI,
Kazuo HANADA and Hideto OKADA

要旨

当院では，体格にあわせた年齢ごとの小児用頭部CT撮影条件表を作成した。そこで臨床画像と，小児の頭部を想定した球ファントムを用いて基礎実験を行い，作成した小児用頭部撮影条件の画質（信号雑音比 : Signal to Noise Ratio : SNR）と撮影線量（管電流時間積 : mAs値）の検討を行った。
　臨床画像より，SNRは0歳および0〜1歳の一部で低下がみられたが，各年齢で一定の画質を得られた。また基礎実験から，Siemens標準撮影条件より撮影線量は少なかった。作成した小児頭部撮影条件は低線量で十分な画質を得ていることが確認された。
　撮影条件は画質を保ちつつも被曝を抑えた最適な撮影線量を設定しなくてはならない。特に放射線感受性の高い小児のCT撮影は，十分な画質を保ちながらできるだけ低線量で行うべきである。

Key words: CT，撮影条件，低線量，小児頭部