仙台赤十字病医誌 Vol. 11, No. 1, 83-87, 2002
看護研究
産褥期の尿失禁に関する調査
仙台赤十字病院 看護部(4B病棟)
玉山 淳美 高橋 純子 原 玲子
A Survey about Urinary Incontinence of Puerperium
Ward of Obstetrics and Gynecology, Japanese Red Cross Sendai Hospital
Atsumi TAMAYAMA, Junko TAKAHASHI and Reiko HARA
要旨
出産経験者の4人に1人は尿失禁で悩んでいると言われている。当院にも,尿失禁で悩んでいる褥婦が潜在していると考えられるため,今回,妊娠・産褥に伴う尿失禁の実態調査を行った。
対象36名中約83%に尿失禁が発症しており,体重増加6kg以上の妊婦に多く認めた。尿失禁のある褥婦の大半は,「そのうち治るだろう」と「はずかしい」との相反する意識を持ち,治療せずに放置していた。
また,尿失禁の予防,対処についての指導の場を求めており,妊娠中から産褥期以降も専門家が関わりを持つことが必要である。
Key words: 産褥期,尿失禁,尿失禁への意識