仙台赤十字病医誌　Vol. 11, No. 1, 77-81, 2002

看護研究

非妊時やせ妊婦の体重増加量別にみた分娩と児に及ぼす影響

仙台赤十字病院　看護部（4B病棟)

豊岡　文恵　　川名　純子
高橋　純子　　原　　玲子

Influence of Weight Gain during Pregnancy on Delivery and Babies in Lean Women

Ward of Obstetrics and Gynecology, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Fumie TOYOOKA, Junko KAWANA, Junko TAKAHASHI and Reiko HARA

要旨

　近年ダイエットブームの影響もあり，非妊時やせ妊婦が増加している。
　本研究は，やせ妊婦における妊娠中の体重増加と妊娠分娩経過との関係を把握することを目的に，当院におけるやせ妊婦の分娩台帳，記録を元に，妊娠分娩経過，出生体重や母乳分泌の実態を調査した。
　妊娠中の体重増加量別に3群に分け比較したところ，妊婦の妊娠中の体重増加量と児の出生体重，出生身長は正の相関を認め，妊娠中体重増加が10kg未満と少ないやせ妊婦においては，10kg以上の妊婦と比べ，出生体重と出生身長は有意に小さかった。
　やせ妊婦においては，妊娠中10〜12kgを目標とした体重増加が望ましく，必要量の体重増加が得られる様に妊婦指導を行う必要がある。

Key words: 非妊時やせ妊婦，体重増加量，妊娠分娩経過