仙台赤十字病医誌　Vol. 11, No. 1, 61-65, 2002

症例報告

双胎間輸血症候群の1症例

仙台赤十字病院 産婦人科

小澤　由佳　　武山　陽一　　萬代　泰男
千葉　裕二　　新川　　尹

A case of Twin to Twin Transfusion Syndrome

Department of Obsterics and Gynecology,
Japanese Red Cross Sendai Hospital

Yuka OZAWA, Yoichi TAKEYAMA, Yasuo MANDAI,
Yuji CHIBA and Osamu SHINKAWA

要旨

　双胎間輸血症候群は，一絨毛膜二羊膜性双胎の約10〜15%に発症し，無治療の場合の死亡率は80%に達する重篤な疾患である。
　今回われわれは，23週に発症し，羊水除去を合計7回（計7,300ml）行うことにより28週まで妊娠を継続し，生児を得ることができた双胎間輸血症候群の症例を経験した。本稿では，この症例をもとに，双胎間輸血症候群に対する治療を文献的に検討した。

Key words: 双胎間輸血症候群（TTTS），反復羊水除去，胎盤血管焼灼術