仙台赤十字病医誌　Vol. 11, No. 1, 41-46, 2002

原著

足三角骨障害に対する診断・治療の検討

仙台赤十字病院　整形外科^*

服部　弘之　　北　　　純　　中村　泰裕
田中　正彦　　大山　正瑞　　小野　雅典
斎藤　　伸

Diagnosis and Treatment of Painful Os Trigonum Syndrome

Department of Orthopaedics, Japanease Red Cross Sendai Hospital

Koshi HATTORI, Atsushi KITA, Yasuhiro NAKAMURA,
Masahiko TANAKA, Masamizu OYAMA, Masanori ONO and Shin SAITO

要旨

　1994年以降当科で経験した三角骨障害13例14足について検討を加えた。男8例，女5例で初診時年齢は12歳から61歳であった。発症機序は足関節捻挫が72%を占めた。主な自覚症状は踵・外果後方の疼痛であった。他覚的所見は足関節高位の腓骨筋腱後方および足根洞の圧痛，足関節底屈位squeeze testでの疼痛発現であった。X線側面像で14足中13足（93%）に三角骨像をみとめた。足関節ストレスX線撮影で距骨傾斜角（以下TTAとする）5° 以上の足関節不安定症を伴う例が7例8足（57%）あった。診断には臨床所見および局麻剤テスト，X線側面像・骨シンチグラム・MRIが有用であった。保存的治療により5例6足（43%）は症状の改善が得られスポーツ・職業に復帰した。保存的治療により改善が得られなかった8例8足に三角骨または距骨後突起の切除を行い，このうち7例はもとのスポーツ・職業に復帰した。

Key words: os trigonum, impingement, diagnosis, treatment