第六十回北日本放射線腫瘍学研究会 主題:『子宮頸癌の膣断端再発の治療方針』

 

主題:『子宮頸癌の膣断端再発の治療方針』
司会 東北大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学分野 教授
神宮 啓一

 子宮頸癌については,手術療法に対して放射線治療が遜色ない治療成績を出しており,海外のガイドラインではstage IIB以降は手術療法よりは放射線化学療法を選択すべきとされている。しかし,本邦のガイドラインではstage IIまでは手術療法を推奨されており,手術療法がおこなわれることが多い。また手術による病理所見などで再発リスクがある症例では術後放射線治療が盛んに行われているが,手術後の膣断端再発も少なからず経験をする。患者の状態,再発のパターンや骨盤照射既往の有無,その病院の持つ設備などから膣断端再発に対する治療方針が定まっていないのが現状かと思う。当院においても治療方針が一定していない状況である。過去の後向きの治療成績を見てもまとまったものが少なく,我々の様々な疑問に答えられるようなものではなかった。今回,当番世話人を申し付かり,せっかくの機会なので北日本の代表する施設での治療方針・治療成績をみせていただき,皆様と広くディスカッションをしたいと考え,この主題とした次第です。
 それぞれ様々な治療方針を示していただき,極めて有意義な議論になったと思う。
 発表していただいた先生方,ご参加いただいた先生方には御礼申し上げたい。
 最後に,せっかくこの北日本で多数の放射線治療施設が参加している研究会であるので,このテーマに沿った北日本の放射線治療成績などをまとめさせてもらえればと思い,現在当院の倫理委員会に申請中である。改めて依頼申し上げると思うので,ぜひともご参加を一考願いたい。