第四十八回北日本放射線腫瘍学研究会記録 主題: 『放射線治療におけるPETの有効利用』,13-14

 

3) 追加発言:『PETを持たない施設での現状報告』
北海道がんセンター 放射線科
鈴 木 恵士郎


PETの放射線治療における有効利用に関して,PETを持たない施設の現状を報告する。
当科(北海道がんセンター 放射線科)は年間新患数約1,000名(一外来日あたり約4名)に対する


 
     
 
     
 


放射線治療を行っており,リニアック3台および密封小線源(137Cs,198Au,226Ra),マイクロセレクトロン1台を使用し,病棟44床を有している。PETについては主にリンパ腫,頭頸部腫瘍,肺癌におけるstagingや,原発不明癌における原発精査,再発疑い時の精査に用いるが,患者さんへの説明時に説得力のある資料として提示することも多い。新患がPETを持ってくる割合については部位によって(紹介医によっても)異なるが概ね10〜25%であり,外来で新規にPETを申し込む症例は主治医によって差はあるものの1〜25%となっている。当院ではPETを持たないため検査はすべて外注であるが,提携病院にて週に2日(月・水),各3名の当病院検査枠を確保している。待ち時間は1〜2週程度である。この提携病院と当院間に送迎バスのサービスがある。他に市内には申込先として2つのクリニック(画像診断センター)があり,主治医が直接依頼で対応可能である。こちらは待ち時間は1〜3日程度である。当院では臨床が中心となっているため18F-FDGはもちろんのこと,再発あるいは残存と炎症の鑑別に有用と考えられる薬剤(11C-Metなど)に期待をしている。対費用効果としては個人的には「安い」と考えられるが,患者からはCTやMRIを含めたフルコースの検査となれば「高い」とクレームがつくこともある。簡単ではあるが,PETを持たない施設の現状を報告した。