第四十三回北日本放射線腫瘍学研究会記録 主題 「放射線治療におけるベッドマネージメントとインフォームドコンセント」,0-0
2. 主題:『放射線治療におけるベッドマネージメントとインフォームドコンセント』
司会  宮城県立がんセンター 放射線治療科
   角 藤 芳 久


はじめに
 今回の放射線腫瘍学研究会のテーマは『ベッドマネージメントとインフォームドコンセント』という一風変わったものとなった。このテーマを選んだ理由はいくつかあるが,その一番は各施設で煩雑な病棟業務をどのようにこなしているのか,またどういった疾患を対象にして入院させているのか等を調査したかったからである。放射線治療の高精度化とそのニーズの高まりに伴い,放射線治療医の仕事量はここ十年で急激に増加した。さらに昨今の医療情勢の変化に追従するように,入院患者に係る書類は増え治療の説明に要する時間も以前とは比較にならないほど増加している。このように放射線治療医にとって社会の期待が大きくなり大変嬉しい時代となりつつある反面,治療計画件数の急増・QA・QCの厳格化に加えて病棟業務が益々煩雑化しており,決して容易ではない状況に直面していると言える。  今回の研究会では北日本地域のアンケート調査を実施してこの問題の現状を把握するとともに,放射線治療医の置かれている厳しい環境を改善するための妙案を模索することを目的とした。研究会当日は,札幌医科大学,弘前大学,東北大学,宮城県立がんセンターの4施設に主題テーマに関して話題提供をお願いし,SRT・SRS・IMRT等の高精度放射線治療と煩雑化した病棟業務との両立をどのように工夫して行っているのか,またインフォームドコンセント取得の有無や方法等についてもお話し頂いた。
 本研究会が,今後の放射線治療科の病棟管理のあり方やこれからの放射線治療医の進むべき道を考える一つの契機になれば当番世話人としてこの上ない喜びである。