宇宙航空環境医学 Vol. 60, No. 2, 103, 2023

ニュースレター

1.　理事会から
理事長あいさつ（2023年1月）

岩�ｱ　賢一

日本大学医学部　教授

2021年11月に第7代の理事長に就任し，会員の皆様のご協力に支えられ，各委員会の先生方には新たな企画の提案などを含めた様々な活動を行って頂きながら，1年余りが経ちました。ニュースレターの紙面をお借りして，この1年間での，本学会における活動について，各委員会や会員の皆様のご尽力に感謝しながら，オンラインの有効活用や若手支援の拡充，学会活動活性化のための新企画など，主だったものを紹介させて頂きます。
　まず，編集委員会の先生方には，オンライン版におけるサプリメントファイル使用を可能にすることも盛り込んだ投稿規定の見直しを，細部にわたるまで大変精力的に行って頂き，11月理事会で承認され総会で報告され改訂に至りました。加地前理事長と小野寺前編集委員長が編集業務の流れや年2回の発刊へと，現状に合わせた変更をして頂き，それを引き継いだ藤田編集委員長と編集委員の先生方のご尽力で定期刊行が続いています。また，大会後抄録についても編集事務局（笹氣出版印刷）が収集し学会誌に掲載する形での運用が行われるようになっております。
　そして，評議員推薦委員会（津久井委員長）からは，医師で宇宙飛行士の金井宣茂先生を含む7名の評議員候補を推薦して頂き，11月の評議員会にて承認され，新たな評議員が誕生し，今後，学会活動の活性化に寄与して頂けると期待されます。
　企画委員会（立花委員長）からは，若手研究者の支援として，学生会員による研究室訪問への補助金の支給や，年次大会発表時のアワード授与について提案して頂き，現在細部が検討され，近いうちに実施に移される予定です。広報委員会（徳丸委員長）からは，「初等教育向け情報発信」として，主として小学生を対象に，本学会のテーマを平易な言葉と図で説明する広報資料を作成しHP上で公開する企画が提案されています。この企画では，学生会員が原案を作成し専門家の会員が監修する仕組みを，現在ご検討頂いています。いずれの企画も学生会員の活動の活性化や，将来この分野に携わる方の増加に寄与する企画と期待されます。
　会則改定検討委員会（三浦委員長）からは，Web選挙実施に向け役員選挙規程の改定案が出され，理事会，評議員会・総会にて承認されました。
　また，学会活動として重要な学術集会については，第67回大会（南沢大会長）に引き続き第68回大会（野村大会長）も，ハイブリッド方式で開催して頂き，また，若手の会（河野担当理事）が協力や企画した学生会員などが主体のセッションも多く盛り込んで頂きました。オンラインと現地参加のハイブリッド方式は，コロナ禍の悪条件を克服した以上に，海外の先生に講演して頂きやすくなった点や，遠隔地の方が参加しやすくなった点などの利便性の向上が活かされました。加えて，様々な興味深い企画を盛り込んで頂いたお陰で，多くの方が参加され大変盛会であったと思われました。また，宇宙基地医学研究会（泉担当理事）においては，「ムーンビレッジ勉強会」との連携の中で「Moon Village;ライフサイエンス分野」というテーマでオンラインの研究会が行われ，参加人数が約100名に迫る会でした。まもなく，アルテミス計画など NASA 主導の国際間協力による月探査計画や民間企業による商業的な月周回旅行が実施されます。そのような宇宙利用活動に対して，今後，本学会が研究や学術的な側面で貢献していくことを考えるうえで大変有意義な会であったと思われます。

改めまして，会員の皆様の学会活動への積極的なご協力に感謝申し上げます。