宇宙航空環境医学 Vol. 59, No. 2, 88, 2022

ニュースレター

(2)新理事長代行あいさつ
新理事長代行あいさつ

後藤 勝正

豊橋創造大学 副学長
豊橋創造大学短期大学部 副学長
豊橋創造大学大学院健康科学 研究科長・教授
豊橋創造大学保健医療学部理学療法学科 教授

 第7代理事長の岩崎賢一先生より,理事長代行の指名を受けました後藤勝正です。理事長に不測の事態が起きた場合の職務代行者でありますので,基本的には一理事として岩崎理事長をサポートしていく所存であります。
 本学会の主要活動分野の1つである宇宙医学に関係する宇宙開発は,民間宇宙旅行が現実的なるなどまさに新時代を迎えています。今後,宇宙環境を経験する人が増えると共に,長期間の宇宙滞在を視野に入れた健康問題とそれに対するカウンターメジャー開発の重要性はますます高まるものと考えています。また,航空輸送ネットワークの発達は人々や物質の移動を飛躍的に向上させ,世界を小さくかつ強固に結びつけたことに異論がある方はいないと思います。こうした航空輸送ネットワークを中心とした移動手段の発達は,新型コロナウイルス感染症の拡大を加速させるネガティブな側面を持つことを人々に見せつけました。パンデミックは航空業界に多大なる影響を与えたのは言うまでもありません。安全な航空機での移動と感染症対策は今後の大きな課題であると考えています。さらに,科学技術の発達は目覚ましく,人々を未知の環境へと導いています。このように,我々は未知の環境での活動が求められることが現実となった今こそ,本学会の研究活動の意義は高まるものと考えられるのではないでしょうか。
 一方で,多くの基礎医学・科学系の学会・学術団体は,いわゆる団塊の世代の現役引退に伴う学会員の急激な減少という問題を抱えています。幸いにして,本学会の学会員数にはここ数年大きな減少は見られていません。しかし,パンデミックの影響により,2021年の第67回大会はハイブリッド形式となりましたが,2年連続して対面での学会大会開催ができなかったことは,本学会の活動を周知する上でマイナスに働くことも考えられます。学会としての活動を継続し,かつ来るべき近い将来の世界において活動するために重要な知見を生み出していくためには,学会員の増加,最低でも現状維持は必須であると考えています。本学会の意義ある活動を継続してために,学会員の皆様のご理解とご協力の程よろしくお願いします。