5.　月居住に向けた精神心理における課題と対策

開催報告

○笹原　信一朗

筑波大学医学医療系　産業精神医学・宇宙医学

○道喜　将太郎

筑波大学医学医療系　産業精神医学・宇宙医学

松崎　一葉

筑波大学医学医療系　産業精神医学・宇宙医学，筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構

【講演概要】
　1960年代より加速した宇宙開発は，現在の国際宇宙ステーション（ISS）時代に至り宇宙でも健康で快適な生活を送るための医学的支援技法を確立し，今や日本人宇宙飛行士も職務として長期滞在を行なっている。今後は民間の宇宙開発と相まって月居住の計画が検討される段階となっている。そこで想定されているMoon Village（以下，MV）では，宇宙飛行士やその他の参加者が，国際宇宙ステーション（ISS）で遭遇するような心理的・身体的ストレス（隔離・閉じ込め，限られた居住環境，対人関係の問題，微小重力，宇宙放射線など）にさらされることで，これまで知られていなかった新たなストレス要因が発見される可能性がある。そこで，これまでに得られた知見（感情とAI，閉鎖実験研究）をまとめ，今後の月居住にあたっての精神心理面での課題と対策を検討する。

参考文献

1）	United Nations Scientific Committee on the Effects on Atomic Radiation, Sources and effects of ionizing radiation, Volume I, Annex B, United Nations, New York, 2008.
2）	Naito M, et al., J. Radiol. Prot., 2020.
3）	Amboroglini F, Frontiers in Oncology, 2016.

【演者プロフィール】
道喜　将太郎:筑波大学　医学医療系　産業精神医学・宇宙医学　助教
2015年3月　筑波大学大学院人間総合科学研究科修了
2016年9月　King’s College London修了
日本医師会認定産業医，社会医学系専門医，宇宙航空医学認定医

笹原　信一朗:筑波大学　医学医療系　産業精神医学・宇宙医学　准教授
2003年3月　筑波大学大学院医学研究科修了
日本医師会認定産業医，社会医学系専門医・指導医，日本精神神経学会専門医・指導医

松崎　一葉:筑波大学　医学医療系　産業精神医学・宇宙医学　教授
1989年3月　筑波大学大学院医学研究科修了
日本医師会認定産業医，社会医学系専門医・指導医，日本精神神経学会専門医・指導医