宇宙航空環境医学 Vol. 58, No. 2, 112-113, 2021

開催報告

南極昭和基地での越冬生活

秋元  茂

ミサワホーム株式会社

【略歴】
 1990年にミサワホーム株式会社入社。
 技術,商品開発部門など技術系部門で従事し,専門領域は,住宅の耐久性や構法関係。
 1998年から当社が南極に供給する建物の技術開発,設計も担当。
 第51次南極地域観測隊 越冬隊(2009-2011)に参加。
 2017年国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA)イノベーションハブが行っている,第3回研究提案募集(RFP)に採択され,共同研究をスタート。
 クロスアポイントでJAXA職員も兼務。
 共同研究:「持続可能な新たな住宅システムの構築」
 現在,ミサワホーム(株)技術部 耐久技術課長 兼 (株)ミサワホーム総合研究所 南極PJ

■南極とミサワホーム
 ミサワホームは,1968年の「第10居住棟」以来,南極地域観測隊の活動や生活を支える建物を受注し,その実績は累計36棟,延床面積約5,900㎡にもなります。徹底した品質管理体制の下,外装,断熱材,内装があらかじめ工場で取り付けられた当社の木質パネルは,南極の限られた建設期間で,建築経験のない隊員でも施工できる簡便さが特長です。
 また,建物の受注のみならず,南極観測活動に貢献すべく,専門技術を要した社員を極地研究所へ出向させ,設営系隊員として協力しています。

【要旨】
 南極で経験した貴重な体験を交えながら,極寒の地に建設されている,基地づくりやそこに生活している隊員たちを建築目線で紹介していきます。また,JAXAとの共同研究の一環である,南極移動ユニットも一部ご紹介いたします。