宇宙航空環境医学 Vol. 58, No. 1, 59, 2021

受賞者講演

功労賞受賞にあたって

小野寺 昇

川崎医療福祉大学

 歴史と伝統ある日本宇宙航空環境医学会の功労賞をいただくにあたり,ご推薦を賜りました加地正伸理事長先生や理事会の先生方に深く感謝し,お礼申し上げます。
 振り返ってみますと,1981年に東京慈恵会医科大学の専攻生になった時から,すでに会員になっていたと感じています。当時の第一生理学教室主任教授は増田允先生です。増田教授と佐伯镹教授(宇宙医学研究室初代教授)そして井川幸雄教授(臨床検査医学主任教授)は,とても親しい間柄で,事ある毎に増田教授室でお三人が歓談されていました。この歓談の場に教室員がよばれることが多々あり,自然の流れで宇宙医学に出会いました。本学会との縁がより深まったのは,慈恵医大にスポーツ外来部が創設(1987年)された時です。私は,第一生理学からの出向の創設メンバーでした。私のポジションは,スタッフの幕尻でした。はるか上に穂刈正臣先生,飛鳥田一朗先生がいらっしゃいました。先生方との出会いにより,さらに本学会が身近な存在になりました。慈恵医大を離れた後も吉岡利忠先生(弘前学院大学学長)のご助言をいただき,学会発表を続けることができました。
 当時のことで,最も印象に残っているのは,宇宙飛行士候補者として名前があがっていた大平充宣先生との出会いです。口髭を纏い,英語を自信たっぷりに大きな声で話す姿を拝見し,衝撃を受け,外人みたいだと感じました。その大平先生から本学会の編集事務局を担当する様にと,お声がけいただき,そのお声(ご下命)に従い,10年間ほど編集事務局業務を行ってきました。
 投稿論文数の減少などが影響し,学会誌の発行が遅れてしまいました。申し訳ございませんでした。加地正伸理事長先生のイニシアティブにより,学会誌定期刊行に導いていただきました。今後,本学会の益々のご発展を祈念し,お礼のごあいさつとします。

 略歴
 1979年 福島大学卒
 1981年 東京学芸大学大学院修了
 1981年 東京慈恵会医科大学第一生理学教室専攻生
 1983年 同 助手
 1985年 同 スポーツ外来部助手
 1991年 川崎医療福祉大学助教授
 1995年 同 教授
 2006年 日本宇宙航空環境医学会理事
 2015年 川崎医療福祉大学 副学長