宇宙航空環境医学 Vol. 57, No. 2, 73, 2020

ニュースレター

第65回大会に参加して

増澤  諒

松本大学・大学院健康科学研究科 研究生

 2019年11月29日から12月1日,松本大学において第65回日本宇宙航空環境医学会大会(大会長:松本大学・大学院 健康科学研究科 河野史倫 准教授)を開催しました。本大会のテーマは「誰でも宇宙に行ける時代」。その名の通り多くの若手が演題発表だけでなく大会運営にも参加しました。本稿では大会事務局長としての立場から大会準備・運営時のエピソードを述べさせて頂きます。
 約1年前,大会事務局を発足し大会長の河野先生と日々話し合いながら,徐々に大会の概要を固めていきました。当初なかなか大会の協賛の見込みが立たず,少ない大会予算でいかにやりくりするかを考え,自作で大会ホームページやポスターを作成し,FacebookやTwitterを活用した広報戦略で予算削減をしました。日本宇宙航空環境医学会の歴史上,長野県松本市では初開催ということで,削減した予算を少しでも大会参加者の皆様に還元したいと考えておりました。有難いことに長野県観光誘客課,松本観光コンベンション協会から協賛金やバスの手配,各種パンフレットなど多くのご支援をいただきました。大会期間中の懇親会では「2019年ゆるキャラグランプリご当地部門第1位」となりました“アルクマ”に登場して頂き,長野の風土を感じて頂ける学会運営を行うことができました。
 当初,大会事前参加登録では107名でしたが,大会当日は159名と多くの先生方にご参加頂きました。本学会には認定医制度があり認定医の先生方が多数参加されたことも大きな要因かと思います。大会期間中には,一般演題やシンポジウムを通して多くの若手研究者や学生にご発表頂き,特に公開ジンポジウムでは様々な学生団体や宇宙医療ハッカソンに参加した高校生からの提言を通して若い世代の宇宙に対する関心の高さを感じました。また学生団体パネルディスカッションは,医・食・住という異なる分野のかけ合わせから実際の宇宙での生活を考えるという斬新な発表でした。今後の宇宙時代を考える上で,医学だけでなく多種多様な分野との連携・交流は重要な要素であると感じました。
 本大会開催にあたり,大会運営側も松本大学スポーツ健康学科の多くの学生スタッフが参加しました。そのため,大会に参加された皆様方には至らぬ点も多々あったかと存じますが,学生なりに手作り感あふれる大会運営を心掛けて参りました。何より座長やジンポジスト,学会本部の諸先生方の多大なご協力をいただき大会運営を無事に終えることができました。ご尽力頂きました皆様方に心より感謝申し上げます。