宇宙航空環境医学 Vol. 57, No. 2, 60, 2020

ニュースレター

1. 理事会執行部からのあいさつ
「宇宙航空環境医学誌」を国際的に読まれ,投稿が増える学会誌にしよう!

大平 充宣

同志社大学宇宙医科学研究センター

 あけまして,おめでとうございます。

 新年早々,学術論文賞選考委員会からのお願いをさせていただきます。宇宙航空環境医学会には,本学会で発表された研究に関する結果を(原則として)「宇宙航空環境医学誌」または他の学会誌に論文が採択されたヒトを対象とした「最優秀論文賞」と「研究奨励賞」を与える制度がございます。学術論文賞選考委員会としましては,論文内容等を考慮した選考に苦労するような多数の応募を望んでいます。しかしながら,なかなか応募に恵まれず,「該当なし」という決断をせざるを得ない年度もあるのが現状です。
 このような現状の主たる原因の一つは,投稿論文が少ないことです。「学会発表に応じて,座長から論文投稿を推薦・依頼された場合は,投稿料を無料にする」とか,「理事に総説投稿等を求める」などの企画を実施してきましたが,残念ながら効果は芳しくありません。特に若手の研究者たちが,いい研究結果はimpact factorの高い国際誌に投稿したいと思うのは当然です。本学会誌の抄録には英語記述が含まれていても,日本語の論文は国際的な興味も得られないのもしかりです。このようなことが影響して,学会誌が定期的に発行できないという負の影響を招いているのも憂慮されます。そこで,「宇宙航空環境医学誌への論文投稿は,学会員に限る」となっていた規定を,世界的にも普及している非会員の投稿も受け付けるonline journalにするという規定変更(案)も検討中です。
 「日本宇宙航空環境医学会」およびその学会誌は,宇宙に限らず,幅広い環境や航空等に関連した医学・生理学・心理学等に関する発表を歓迎しています。最近は,「若手の会」の活動も活発になってきています。学会および学会誌が,ますます活性化されるように,ご協力をお願いいたします。