宇宙航空環境医学 Vol. 57, No. 2, 29, 2020

ニュースレター

4. 各分科会だより (2)臨床分科会

津久井一平

一般財団法人 航空医学研究センター

 「臨床分科会」は,「臨床医学の会」という名称で1993年6月に発足しました。その後,基礎医学臨床医学を問わず広く宇宙航空をテーマとし,医師看護師に止まらず心理学の分野など幅広い領域からの参加を求めるべく,1994年に「臨床分科会」と名称を改めて今日まで活動を展開してきました。
 2012年より世話人が交代し,大学1,防衛関係2,民間航空2,航空会社2名の構成で企画と運営を行っており,昨年3月の例会で25回を数えました。
 これまでのテーマは,臨床17,航空生理2,制度6,うち公開シンポジウム4回となっています。
 今年は,宇宙航空の人的要因に係る安全の体制や考え方を広く紹介する機会を設け,同時に日本唯一のこの分野の専門家集団として,安全に係る提言や見解を発信できるアクティブな学会を目指すべくテーマを模索中です。
 最近のニュースでは,日本の民間人から国際宇宙ステーションへの宇宙旅行を志す人が出,カーボンナノチューブの実用化で,子供たちの夢をかき立てるような宇宙エレベータの構想なども耳にします。一方,盛んに議論されている医療事故や医療事故調などは,航空の分野が既に先鞭をつけているところでもあります。まさに我々の学会環境は,その基盤技術と言ってもよい宇宙航空医学の,知の集団ではないでしょうか。
 ぜひ,今年も臨床分科会にご注目頂き,奮ってご参加頂きたくお願い申し上げます。