宇宙航空環境医学 Vol. 56, No. 4, 82, 2019

シンポジウム2

同志社 宇宙DREAM プロジェクト

大平 充宣1,2

1同志社大学研究開発推進機構
2同志社大学宇宙医科学研究センター

Doshisha space─DREAM project

Yoshinobu Ohira1,2

1Organization for Research Initiatives and Development, Doshisha University
2Research Center for Space and Medical Sciences, Doshisha University

2018年4月に,同志社大学に発足した「宇宙生体医工学研究プロジェクト」は,学内の理工学,スポーツ健康科学,脳科学,生命医科学研究科等の教員に国内外の学外研究者を加えて,生理学,生化学,神経科学,生体医工学研究分野の4グループが連携したプロジェクトなって構成されている。低重力環境に長期間暴露された場合,宇宙飛行士に誘発される生体諸機能の変化を防止・抑制するための宇宙医学・工学研究は,活発に進行している,そこでこれらの分野におけるこれまでの研究成果や今後の研究を活かしながら,地球上で大きな健康問題となっている健康問題の解消・抑制,健康寿命の延伸を目指した統合的研究基盤と国際的連携拠点 "Space DREAM (Doshisha Research Project for Active Life in Space Engineering and Medical Biology") としての研究促進を目指そうというものである。生理学グループでは,ヒトおよび動物を使った研究を継続しているが,最近はヨーロッパ宇宙技術研究センター (オランダ・ノールトウェイク市) に設置された動物用大型遠心機を使ったマウスの3-G負荷実験を実施している。また,本プロジェクトの大きな目的の一つは,「若者を育てる」ということである。そこで,「複合領域科目 宇宙生体医工学 概論 −健康寿命の延伸のために−」を申請中であるが,卒業単位としても認めてもらう同志社大学生を対象としているものである。しかし,学外の学生,中・高校生,一般人だれでも参加できるセミナー(案)の計画もある。このような同志社プロジェクトの紹介をしたい。