宇宙航空環境医学 Vol. 56, No. 4, 65, 2019

一般演題3

17.　模擬微小重力環境（6° Head-down）における耳管機能検査

河野　航，野村　泰之，森田　優登，大島　猛史

日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

Eustachian tube function test under simulated micro gravity:6° Head-down

Wataru Kono, Yasuyuki Nomura, Masato Morita, Takeshi Oshima

Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Nihon University School of Medicine

地球周回軌道上の微小重力環境下では体液シフトや循環動態変化によるムーンフェイスや頭部顔面の血流変化が生じる。さらに以前のスペースシャトルや現行の国際宇宙ステーションでは一定の環境騒音が存在するとともに船内の気圧に関しては一定与圧されている。一方，耳管は鼻咽腔と中耳腔をつなぐ管であるがその機能障害に際して耳閉感や聴覚過敏，自声強聴といった聴覚異常をきたすことがある。そして耳管の機能は外気圧の変化や頭部顔面の血流変化にも影響される。常に騒音があり，一定の与圧が行われ，ムーンフェイスをきたす微小重力環境で，耳管は地上と異なる機能状態におかれているとも考えられる。そこで今回，6° Head-down模擬微小重力環境における耳管機能を測定した。