5.　Ramp-1遺伝子の脳梗塞感受性による宇宙飛行士選抜への適応模索 | Haplotype-based case-control study of receptor （calcitonin） activity-modifying protein-1 gene in cerebral infarction

一般演題

「加速度・他」

5.　Ramp-1遺伝子の脳梗塞感受性による宇宙飛行士選抜への適応模索

中里　龍生^1,2，中山　智祥¹

¹日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野
²医療法人健生会　藤岡外科内科クリニック

Haplotype-based case-control study of receptor （calcitonin） activity-modifying protein-1 gene in cerebral infarction

Tatsuo Nakazato^1,2, Tomohiro Nakayama¹

¹Division of Moleculer Diagnostics, Depertment of Advanced Medical Science, Nihon University School of Medicine
²Fujioka Surgeon and Internal Medicine Clinic

カルシトニン遺伝子関連ペプチド（calcitonin gene-related peptide，略:CGRP）とは，中枢神経，心臓や血管など末梢の一次知覚神経の終末および遠位端に存在しているアミノ酸37個からなるペプチドである。CGRP受容体はカルシトニン受容体（CTR）様受容体（CRLR）に受容体活性調節蛋白1 （RAMP1）が作用すると形成される。近年RAMP1欠損マウスは野生マウスと比較した場合，血清CGRPレベルと炎症性サイトカインで一過性に有意に増加して炎症反応を示したことが報告された。今回我々は日本人における単一塩基多型（SNP）を用いてヒトRAMP1遺伝子および脳梗塞（CI）との関係をhaplotype-based case-control studyで調べた。ヒトRAMP1遺伝子における6個のSNP （rs3754701， rs3769048，rs7557078，rs1584243，rs10199956及びrs7590387）を選択し脳梗塞を有する患者171人と健常人234人をcontrolとしハプロタイプを用いた症例対照研究を行った。結果は脳梗塞群と対照群との間にSNPの遺伝子型と対立遺伝子頻度の全体的な分布に有意差はなかったが，rs3754701-rs3769048- rs7590387（T-A-C感受性ハプロタイプ）の組み合わせで対照群との比較で有意差（P 1/4 0.0024）が認められた。結果としてRAMP1のSNPにおけるT-A-Cハプロタイプは脳梗塞群のための遺伝子マーカーとなりえ隣接遺伝子が脳梗塞群に対する感受性の増大と関連していることが示唆された。この研究は長期宇宙滞在を余儀なくされる火星探査に向かう宇宙飛行士の選抜さらには将来一般人の方にも適用しその予防にも重要な意味を持つ物であると考えらる。