宇宙航空環境医学 Vol. 53, No. 4, 124, 2016

6.　顔面浸漬時の心拍数と血圧の変化

小野寺　昇¹，林　聡太郎²，吉岡　哲³，斎藤　辰哉¹，和田　拓真⁴，吉田　升⁴，野瀬　由佳⁵，松本　希⁶，山口　英峰⁷

¹川崎医療福祉大学
²福山市立大学
³岡山大学
⁴川崎医療福祉大学大学院
⁵安田女子大学
⁶就実短期大学
⁷吉備国際大学

Changes in heart rate and blood pressure during face immersion

Sho Onodera¹, Sotaro Hayashi², Akira Yoshioka³, Tatsuya Saito¹, Takuma Wada⁴, Noboru Yoshida⁴, Yuka Nose⁵, Nozomi Matsumoto⁶, Hidetaka Yamaguchi⁷

¹Kawasaki University of Medical Welfare
²Fukuyama City University
³Okayama University
⁴Graduate School, Kawasaki University of Medical Welfare
⁵Yasuda Womenwy’s University
⁶Shujitsu Junior College
⁷KIBI International University

【目的】　顔面浸漬させた時の心拍数と血圧の変化を明らかにした。
　【方法】　対象者は，健康な成人男性8名であった。川崎医療福祉大学倫理委員会の承認を得て，インフォームドコンセントを実施した。測定条件は，座位安静条件，座位息こらえ条件，座位息こらえ前傾条件および座位前傾顔面浸漬条件の4条件とした。心拍数を胸部双極誘導法，血圧を連続血圧測定装置（Radia Press）により測定した。水温を36℃とし，測定時間は60秒間とした。
　【結果および考察】　座位息こらえ前傾条件および座位前傾顔面浸漬条件の心拍数は，浸漬と同時に減少，8秒後に増加に転じ，その後定常となった。座位息こらえ前傾条件および座位前傾顔面浸漬条件の血圧は，浸漬と同時に減少，8秒後に増加に転じ，その後定常となった。息こらえによる心拍数の初期応答は水温が33℃程度であれば顔面が水中でも非水中でも同様であるとの報告があり，本研究の結果は，息こらえによる心拍出量の増加および姿勢変換の影響によるものと考えられた。