宇宙航空環境医学 Vol. 52, No. 4, 69, 2015

シンポジウム

25. 通信衛星における医療機関との連携

越川 尚清,阿世知 裕一,朴澤 佐智子

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 衛星利用運用センター

Cooperation with Medical Organizations using Communication Satellites

Naokiyo Koshikawa, Yuuichi Asechi, Sachiko Hozawa

Satellite Applications and Operations Center, Japan Aerospace Exploration Agency

JAXAは,衛星通信の医療分野への活用として,遠隔医療と災害医療について関係機関と共同研究や協定を締結し実験を進めてきた。遠隔医療では,離島や僻地における遠隔診断において,「きずな」の高解像画像伝送が有効であることを検証した。災害医療については,東日本震災での「きずな」および「きく8号」によるインターネット回線やテレビ会議の提供経験を活かし,今後南海トラフ大地震等が発生した場合には,災害医療センター(DMAT事務局)や日本医師会等と共同し,通信途絶した被災地に災害医療のためのインターネット環境構築を考えている。これにより,広域災害救急医療情報システム(EMIS)やクラウド型医療データベース,電子カルテへのアクセスおよびWeb会議の利用できる環境を提供することによる災害時の情報伝達やコミュニケーションのツールとして貢献できると考えている。