宇宙航空環境医学 Vol. 51, No. 4, 83, 2014

一般演題

27.　エルゴメータを利用したインターバルトレーニングとハイブリットトレーニングシステムを組み合わせた運動法の効果検証

橋田　竜騎¹，松瀬　博夫¹，大本　将之¹，名護　健¹，志波　直人¹，高野　吉朗²，山田　深³，大島　博³，田川　善彦⁴

¹久留米大学リハビリテーション部
²国際医療福祉大学福岡保険医療学部
³宇宙航空研究開発機構
⁴九州工業大学大学院工学研究院

Effects of interval training with hybrid training system

Ryuki Hashida¹, Hiroo Matsuse¹, Masayuki Omoto¹, Takeshi Nago¹, Naoto Shiba¹, Yoshio Takano², Shin Yamada³, Hiroshi Ohshima³, Yoshihiko Tagawa⁴

¹Division of Rehabilitation, Kurume University Hospital
²Department of Physical Therapy School of Health Sciences at Fukuoka, International University Health and Welfare
³Japan Aerospace Exploration Agency
⁴Department of Mechanical and Control Engineering, Kyushu Institute of Technology

　ハイブリッドトレーニングシステム（HTS）は拮抗筋の電気刺激筋収縮を主動筋の運動抵抗とする運動で，主動筋と拮抗筋が同時に訓練でき，微小重力下でも外力を用いずに運動抵抗を得ることができる。今回HTSを軌道上でも利用可能であるエルゴメータを利用したインターバルトレーニングに組み合わせた新しい運動法を考案し，長期訓練効果を検討した。被験者は男性8人で，エルゴメータ運動を30分間，週3回6週間行った。運動強度はそれぞれの最大酸素摂取量の40%と60，70，80，90%を2分毎に増減するインターバルトレーニングとし，40%負荷時の2分毎にHTSを加え，それ以外の負荷時は休止した。訓練後，膝伸展筋力が9%，膝屈曲筋力が14%，大腿直筋筋厚が17%，最大酸素摂取量が28%，それぞれ有意に増加した。有酸素運動プログラムにHTSを組み合わせた運動法は，有酸素運動効果と筋力増強効果が効率的に得られる新しい運動法であると思われる。