宇宙航空環境医学 Vol. 50, No. 4, 2013

一般演題

9. マイナス1GにおけるoVEMPの測定

瀬尾 徹

近畿大学 医学部 耳鼻咽喉科

Ocular VEMP under minus 1G condition

Toru Seo

Department of Otolarungology, Kinki University Faculty of Medicine

【はじめに】 眼球直下に記録される前庭誘発筋電図(oVEMP)は卵形嚢由来の反応である。頭部を倒立させ卵形嚢にマイナス1Gを負荷した際のoVEMPを測定したので報告する。
 【対象と方法】 対象は健康な成人男女4名である(28歳から36歳)。坐位正頭位において,気導刺激oVEMPおよび骨導刺激oVEMPを測定した後,懸垂頭位にて頭部を倒立位とし同様に気導刺激および骨導刺激oVEMPを測定した。
 【結果】 正頭位においていずれもoVEMPは記録できた。倒立位においては,気導刺激oVEMPは2例で消失した。また記録しえた波形はいずれも振幅の著しい減弱を認めた。骨導刺激oVEMPは全例で記録できたが,いずれも振幅の著しい減弱をみとめた。潜時については明らかな延長は認めなかった。
 【考察】 倒立位においてoVEMPは著しく抑制された。その機序として平衡斑の感覚細胞上の耳石とゼラチン層との結合が解離した可能性がある。