宇宙航空環境医学 Vol. 49, No. 4, 102, 2012

若手の会シンポジウム

サンプルシェアープログラムを介した若手研究活性化の提案

寺田 昌弘

独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 ISS科学プロジェクト室

The activation of young researches through the sample share program

Masahiro Terada

ISS Science Project Office, Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency

本若手の会の活動開始は,第53回大会(大会長:菅屋潤壹先生,場所:愛知医科大学)での若手シンポジウムにまで遡ります。その後,メンバー間のメーリングリスト作成を行い,年次大会での若手シンポジウムでは多くの若手研究者に発表をしてもらいました。これまでの若手研究者の発表では,若手側の主張(現状ならびに今後何をやっていきたいか等)や今後の進路への不安などを先生方に聞いていただき,多くの方々から貴重なアドバイスならびに叱咤激励をいただきました。このように若手の考えを先生方と共有できた現在,次の段階として我々若手研究者の研究·取り組みをより具体的に形にしていく必要があると感じております。そのため,日本宇宙航空環境医学会内で若手の会としてサンプルシェアープログラムを立ち上げ,若手研究の活性化につなげていきたいと考えます。
 今回,若手の会が提案するサンプルシェアープログラムは今後実施される実験や,すでに終了した実験の不要なサンプルを,そのサンプルを受領したい若手研究者にシェアーさせて頂くというものです。このサンプルシェアープログラムの目的は,サンプルを介して先生方との研究交流を図るだけでなく,若手自らが積極的に学術データを創出していくということを目指しています。そのため,単純にサンプルを与えてもらって若手だけが得をしようという試みではありません。有効にサンプルを利用することによって,サンプルを提供する側ならびにサンプルを受領する側の双方にメリットがあるプログラムにするように運用します。
 本年度は,このサンプルシェアープログラムのガイドラインを作成し,試験的に運用を開始したいと思います。そして,来年度の若手シンポジウムではその運用実績ならびに成果報告をさせていただきます。
 今後とも,若手自らが率先して研究活動や学会活動を盛り上げていけるように努力します。そのために,多くの方々には温かい目でご支援をお願いいたします。