宇宙航空環境医学 Vol. 49, No. 4, 71, 2012

一般演題

13. 宇宙空間でのcountermeasureとしての体幹部トレーニングの検討

田中 悠士郎1,右代 啓祐1,岡部 洋興2,岡田 雅次3

1国士舘大学大学院 スポーツ·システム研究科
2国士舘大学 文学部
3国士舘大学 体育学部

Investigation of countermeasure for body trunk in microgravity environment

Yujiro Tanaka1, Keisuke Ushiro1, Hirooki Okabe2, Masaji Okada3

1Graduate School of Sports System, Kokushikan University
2Faculty of Letters, Kokushikan University
3Department of Physical Education, Kokushikan University

体幹筋群は,人間が重力下において姿勢の維持や運動時に重要な働きを担っている。とくに陸上競技における投擲競技は,物体を投射する際に地面を強く支持し,下半身で生み出したエネルギーを末端にある投擲物に伝達する過程において,体幹部の強化が重要となる。従来の体幹部トレーニング種目は単一(横)方向への捻転トレーニングが中心となっていた。しかし,パワートルソー(NISHI社製)は,多方向への加重が可能なトレーニング器具として開発された。宇宙飛行士は無重力の環境から帰還した際に,体幹部の筋力の衰えにより,日常生活に支障をきたす恐れがある。しかし,無重力環境において地球上で通常使われているトレーニング器具を用いた体幹筋群のトレーニングを行うことは困難である。そこで,無重力環境下におけるcountermeasureの一つとしてのパワートルソーを利用した体幹筋群のトレーニング法に考察を加えてみた。