4.　ラット後肢筋における機械的刺激と高エネルギーリン酸レベルの関係 | Relationship between mechanical stress and high-energy phosphate contents in rat hindlimb muscles

一般演題

4.　ラット後肢筋における機械的刺激と高エネルギーリン酸レベルの関係

岡部　洋興¹，大平　友宇²，大平　宇志³，河野　史倫⁴，芝口　翼⁵，後藤　勝正²，内藤　久士⁶，大平　充宣^4,5

¹国士舘大学　文学部
²豊橋創造大学大学院　健康科学研究科
³宇宙航空研究開発機構　宇宙医学生物学研究室
⁴大阪大学大学院　医学系研究科
⁵大阪大学大学院　生命機能研究科
⁶順天堂大学　スポーツ健康科学研究科

Relationship between mechanical stress and high-energy phosphate contents in rat hindlimb muscles

Hirooki Okabe¹, Tomotaka Ohira², Takashi Ohira³, Fuminori Kawano⁴, Tsubasa Shibaguchi⁵, Katsumasa Goto², Hisashi Naito⁶, Yoshinobu Ohira^4,5

¹Faculty of Letters, Kokushikan University
²Graduate School of Health Sciences, Toyohashi SOZO University
³Space Biomedical Research Office, Japan Aerospace Exploration Agency
⁴Graduate School of Medicine, Osaka University
⁵Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University
⁶Graduate School of Health and Sports Science, Juntendo University

筋中高エネルギーリン酸（HEP）は，筋収縮活動のみならず，代謝調節因子としても重要な役割を果たす。また，足関節の底屈または背屈は，足関節底屈筋を短縮または伸展し，筋の機械的ストレス度を変化させる。しかし，HEPが機械的刺激に対してどう反応するかについては必ずしも明らかではない。そこで，ラットの後肢懸垂中の後肢筋長が，筋中HEPレベルにどのような影響を及ぼすのか追求するために，フリーな足関節，または足関節を底屈または背屈状態でギブス固定し，10日間後肢懸垂した。その後，麻酔下で31P-核磁気共鳴装置を利用し，足関節底屈筋群におけるHEPレベルを推定した。その結果，フリーまたは底屈状態で足関節を保った群では，ケージコントロール群に比べてHEP含有が増大した。逆に，推定されたATP産生率は有意に低く，特にヒラメ筋の萎縮が進行した。筋の機械的刺激の減少に伴う代謝率の低下は，萎縮の誘発に密接に関係していることが示唆された。