宇宙航空環境医学 Vol. 48, No. 4, 93, 2011

一般演題

43.　水中における動的パートナーストレッチングが心臓自律神経系活動に及ぼす影響

小野寺　昇¹，吉岡　哲²，高原　皓全¹，松本　希³，斎藤　辰哉⁴，白　優覧¹，西村　一樹⁵，関　和俊⁶，小野　くみ子⁷，山口　英峰⁸

¹川崎医療福祉大学
²香川大学
³就実短期大学
⁴川崎医療福祉大学大学院
⁵広島工業大学
⁶流通科学大学
⁷神戸大学大学院
⁸吉備国際大学

Changes of the function of autonomic nerves during dynamic stretching in water

Sho Onodera¹, Akira Yoshioka², Terumasa Takahara¹, Nozomi Matsumoto³, Tatsuya Saito⁴, Wooram Baik¹, Kazuki Nishimura⁵, Kazutoshi Seki⁶, Kumiko Ono⁷, Hidetaka Yamaguchi⁸

¹Kawasaki University of Medical Welfare
²Kagawa University
³Shujitsu Junior College
⁴Graduate school, Kawasaki University of Medical Welfare
⁵Hiroshima Institute of Technology
⁶University of Marketing and Distribution Sciences
⁷Kobe University
⁸Kibi International University

【はじめに】　水中における動的パートナーストレッチングのリラクゼーション効果を明らかにした。
　【方法】　対象は，健康成人女性9名（年齢:62±6歳，身長:153±5 cm，体重:55±9 kg）であった。温水プールにて動的パートナーストレッチングを10分間行った。動的パートナーストレッチングとしてWATSUを採用した。測定項目は，心拍数，血圧，主観的快·不快尺度および心臓自律神経系活動とした。心臓副交感神経系活動（MemCalc法）を指標として用い，リラクゼーション効果を評価した。水温は30°Cとした。
　【結果と考察】　心臓副交感神経系活動（lnHF）は，安静時: 5.2±0.9，動的パートナーストレッチング時:5.4±1.2，動的パートナーストレッチング終了後:5.8±0.9であり，有意な変化（P<0.05）を認めた。心拍数は，安静時:69±6 bpm，動的パートナーストレッチング後:65±5 bpm，動的パートナーストレッチング終了後:61±5 bpmであった。主観的快·不快尺度は，安静時:50，動的パートナーストレッチング時:95，動的パートナーストレッチング終了後:100であり，有意な変化（P<0.05）を認めた。心臓副交感神経系活動の亢進と心拍数の低下は，水中の動的パートナーストレッチングのリラクゼーション効果の可能性を示唆する。