宇宙航空環境医学 Vol. 46, No. 4, 130, 2009

若手の会シンポジウム

2. どうなる,今後の宇宙医学研究!?

大平 宇志

大阪大学生命機能研究科

Discussion about the future space biomedical research

Takashi Ohira

Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University

 宇宙ライフサイエンス分野に関した研究は,実験をす るにあたって存在する様々な制約のため,縮小傾向にあ るように感じられる。そんな中,現在,この分野につい て興味を持ち,研究を行っている若手研究者(特に学生) は,就職の問題をはじめ,様々な不安や不満を抱えている。 そのため,卒業後はこの分野の研究を離れてしまう者も 多い。しかし,今後もこの分野の研究の継続を希望する 者も意外と多く,現状が変わることを望んでいる。
 また,宇宙研究に関係する若手研究者で構成される団 体がいくつか存在し,その中の一つである宇宙ライフサ イエンス若手の会では,夏の学校と若手シンポジウムを 開催し,研究以外にも新たな知識の共有や人脈拡大を目 的とした活動も行っている。この会の今後の活動では会 の幅を広げるため,様々な分野の若手の会と積極的に交 流することも考えられている。
 このような状況の中,宇宙航空環境医学分野は今後ど のように発展し,若手研究者はどのような研究に携わる ことができるのか,宇宙航空環境医学若手の会ではどの ような活動ができるのか議論したい。