宇宙航空環境医学 Vol. 44, No. 4, 130, 2007

シンポジウム

「我が国のドクターヘリの現状と将来像」
S-1. 小児医療におけるドクターヘリの活用

岡田 眞人

聖隷三方原病院救命救急センター

Doctor-Heli for Pediatric Emergency Service

Masahito Okada

Director of Acute Medicine & Critical care Seirei Mikatahara General Hospital

 日本小児科学会は集約化・重点化を提案し,その実行段階に入っているが,現実にはほとんど進んでいない。このような中で,静岡県は静岡県立こども病院を外傷にも対応できる病院へ変革させることで,県民に安心感を与える施策を決定した。幸い,静岡県は東西にそれぞれ二機のドクターヘリを配置しているので,それを利用することで受傷から1時間以内に県内のどの地域からでも,県の中央にあるこども病院に搬入できる特徴を持っていた。本年6月に4床ICUベッドと8床のHCUベッドを持つPICUを含む新病棟が静岡県立こども病院に増設された。それに伴い静岡県メディカルコントロール協議会で,重症小児患者の搬送基準を決定し,全ての2次救急病院と消防機関に周知徹底をはかった。9月までの4ヶ月間に平均月40名の小児がPICUに入院するが,その内の1/4がドクターヘリなどで現場から直接搬送されている。これらの詳細を今回は報告する。いる。これらの詳細を今回は報告する。