E-2.　20日間のベッドレスト中の摂取水分コントロール下での発汗活動の変化 | Reduced sweating response induced by long-term head-down bed rest can be prevented by encouraged water intake during head-down bed rest

一般演題

E-2.　20日間のベッドレスト中の摂取水分コントロール下での発汗活動の変化

佐藤麻紀¹，Dominika Kanikowska¹，西村直記¹，岩瀬敏¹，清水祐樹¹，犬飼洋子¹，菅屋潤壹¹，
鈴木里美²

¹愛知医科大学医学部生理学第2講座
²愛知医科大学看護学部

Reduced sweating response induced by long-term head-down bed rest can be prevented by encouraged water
intake during head-down bed rest

Maki Sato¹‚Dominika Kanikowska¹‚Naoki Nishimura¹‚Satoshi Iwase¹‚Yuuki Shimizu¹‚Yoko Inukai¹‚
Junichi Sugenoya¹‚Satomi Suzuki²

¹Department of Physiology‚Aichi Medical University School of Medicine
²Department of Nursing‚Aichi Medical University

　自由飲水下でヘッドダウンベッドレスト（無重力模擬実験）を行うと発汗閾値が上昇し，平均体温に対する発汗量が抑制されることが明らかにされている。本研究では，20日間－6°のベッドレスト中において，飲水量を前日の尿量と同量となるよう指示した場合についての発汗活動および体温調節能への効果を検討した。被験者（若年男性）は，6°のベッドダウンベッド上で20日間生活した。ベッドレスト前後で下肢温浴による温熱負荷実験を行い，体温調節応答を観察した。ベッドレスト後において，安静時および暑熱負荷時の鼓膜温の上昇，暑熱負荷時の発汗量の増加，発汗発現時間の短縮，皮膚血流量の増加が見られた。発汗波頻度と平均体温の回帰直線はベッドレスト後，右方へシフトし，発汗量と発汗波頻度の回帰直線は左方へシフトした。このことより，水分摂取をコントロールした状態での20日間のベッドレストでは，中枢機構で発汗閾値の上昇があり，汗腺機構では感受性の亢進が起こっていることが示唆された。