宇宙航空環境医学 Vol. 43, No. 3, 131-142, 2006

原著

半構造化面接を用いた長期宇宙滞在時の精神心理的適応過程評価の試み

井上 夏彦1,2,吉野 聡2,大島 博1,松崎 一葉1,2

1宇宙航空研究開発機構
2筑波大学社会医学系

Evaluation of Psychological Adaptation of an ISS Expedition Crewmember by Semi-Structured Interview

Natsuhiko Inoue1,2, Satoshi Yoshino2, Hiroshi Ohshima1 and Ichiyo Matsuzaki1,2

1Japan Aerospace Exploration Agency
2University of Tsukuba, Institute of Community Medicine

ABSTRACT
  In the International Space Station (ISS) era, Japanese Astronauts will experience prolonged stays in space, during which a psychological health care system will be required to maintain them in a psychologically healthy condition.
  Currently, the only way to monitor their psychological status directly is through what we call “Private Psychological Conferences (PPCs)” via an audio-visual channel. However, it is still difficult to share PPC results with the other non-professionals in subjective figures. The Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) has therefore been trying to develop a new psychological health care method called the applied clinical semi-structured interview. A pilot study was conducted in a long-term isolation and confinement experiment (SFINCSS-99) project. Two subjects who were confined and isolated inside the Russian ground simulator module for 110 days were given periodic clinical interviews. The result of this study indicated the relation between non-verbal information and subjects’ status.
  In this study, a Russian cosmonaut who had lived aboard the ISS for more than four months was used as the subject who received periodic semi-structured interviews. Recorded responses were later independently investigated by specialists. The indices for psychological status were 1) response times to the question to estimate his ability of recognition and 2) posture and body or facial movements to estimate his motivation and tension. These indices (except response time) were classified into five steps based on the amount of movement or expression, and the subject’s tension and motivation were evaluated by using and comparing these indices with special events, such as EVAs and dockings. The result indicated that the adaptation process of the subject cosmonaut could be divided into five phases based on the extent of tension and motivation. We again obtained positive result from this study. However, still further studies are required due to the small number of subjects and the methodological limitation.  JAXA will continue to conduct further research and will report the results of another experiment using an ISS prolonged-flight cosmonaut for the subject.

  (Received: 21 July, 2006 Accepted: 21 September, 2006)

  Key words: Psychological adaptation, the International Space Station, Astronaut

I. はじめに
  現在建設が進められている国際宇宙ステーション(International Space Station: 以下「ISS」とする)では,2007年末頃に日本の実験モジュール(「きぼう」)が打ち上げ・据え付けられ,以降日本人宇宙飛行士による3〜6ヶ月にわたる長期宇宙滞在が計画されている。ISSは微小重力や宇宙線の他,外部の高真空,低照度,人工的昼夜変化,固定化された対人関係による特殊なグループダイナミクスなど,特殊な閉鎖環境として特徴づけられ,長期間の滞在では精神的身体的諸機能に大きな負荷がかかることが予想される。
  これまで宇宙環境滞在が宇宙飛行士の身体・生理に及ぼす影響については主として米ロによる研究・運用が行われてきているが(概要は宇宙開発事業団編「宇宙医学・生理学」27) に詳しい),長期宇宙滞在が飛行士の精神心理に及ぼす影響については,まだまだ研究途上といえる。しかしながら,このような極限環境においては特に精神的ストレスに起因する精神運動機能の低下,認知機能の低下,抑うつ傾向,情動制御の不全が生じ得る6,10)。認知機能の障害はISSにおけるヒューマンエラーの原因となり,ミッション遂行に支障をきたす。情動の制御困難はグループダイナミクスに悪影響を及ぼし,二次的なストレス反応の出現が身体的精神的機能に波及する可能性がある6,19)。実際に,ミッション中の宇宙飛行士及び地上支援要員を対象とした研究により,飛行士グループ間の緊張増大やグループ内の結束力低下,集団の下位グループ化,スケープゴート化16) やコミュニケーションの相手の制御7,9),無気力15,17) について報告されている。また,これらの精神機能の悪化を予防・低減するために,特に長期ミッション中の飛行士への精神心理的サポートは必要不可欠と見なされており,宇宙飛行士の感じる閉鎖・隔離感を低減することのできる,インターネットやE-メール,電話等を利用したサポートシステムに関する研究4,21) がロシアでは進められており,ISSにおいても実際にこれらのコミュニケーションツールは導入され,運用されている。
  一方で長期ミッションの成功のためには,このようなサポート手法に併せて,飛行士の精神心理的状況を正確に評価・モニタリングし,不適応状況の出現を早期に発見するシステムを確立することも極めて重要な課題である。精神心理状態の把握には,一般的に質問紙法ないし面接法による評価が一般的であるが,質問紙法では,精神心理状態のリアルタイムの変化を詳細に測定することは難しく26),また被測定者である宇宙飛行士の任務遂行の責任感の強さや動機の高さ,社会からの期待の故に,実際の精神心理的状況と回答が一致しない可能性がある。また,面接や面接で得られた直接的言語情報の分析は,同様な理由で,実際の精神心理的状況と言語化された情報が一致しない可能性があるため,宇宙におけるミッション遂行という特殊な状況下では,最適なものではないとされる23)
  そのため,刻々と変化する情動の状態や認知要因などの内的要因を測定するには,観察法が有効であるとの報告もある18)。飛行士の精神心理的健康管理手法に関しては,現在,表情や音声からストレスや精神心理的状況を分析・判断するための研究16) やAudio−Visualな地上とのリアルタイム通信を可能とする効果的な情報伝達に関する研究5),非言語的情報から飛行士の適応状態を測定するための研究20,22,23) があり,それらの有用性・妥当性に関する検証が国際宇宙ステーションの運用レベルで進められ,国際間パネルにおいても盛んに議論が展開されてきている。
  このような現状を踏まえて宇宙航空研究開発機構(JAXA)では,観察法に基づく新しい精神心理的健康管理手法開発のために,本研究を含めた一連の研究を実施することとした。最初の研究は,ロシアで行われた長期閉鎖研究であるSFINCSS プロジェクト2) において実施された。このプロジェクトでは,宇宙ステーション滞在シミュレーションとして地上閉鎖設備に長期滞在(110日間)している被験者に対して継続的に行った精神医学的半構造化問診の様子を,高精細度テレビカメラ(High-Definition TV: 以下「HDTV」とする)を用いて撮影した。取得した映像は,被験者の閉鎖環境における適応の時系列的変化を検討するために,被面接者の精神心理状態を反映する態度,姿勢,動作などの非言語的な情報を取得・分析する手法3) を適用して解析を試み,適応過程の検討に関するこの手法の有効性を報告した20)
  新しい精神心理的健康管理手法開発のためにJAXAが実施する本研究を含む一連の研究は,ISSに滞在する日本人宇宙飛行士の身体的・精神的両面における効果的な健康管理プログラム策定に資する提言を行うことを最終目的とする。なかでも本研究の目的は,ミッション中の飛行士の時系列的精神心理的状況を推定し,飛行士自身にも自覚されない精神心理的不適応の兆候を抽出する評価システムを確立し,ミッション遂行中のヒューマンエラの発生を未然に防ぐリスクマネージメントシステムを確立するための基礎資料を得ることと位置づけた。


II. 方法
  本研究では,地上閉鎖環境での有効性を示したSFINCSSプロジェクトでのMatsuzakiと Miyamoto20) による研究と同様のプロトコルで行った。すなわち,飛行中に行われた半構造化問診を受けている被験者の正面全身画像及び音声を記録し,問診への回答反応時間と体動,及び表情に基づき,複数の精神医学/心理学の専門家が評価を行い,被験者の情動状態とモティベーション(動機付け状態)を推定した。詳細を以下に記す。
  A. 被験者
 ISSに130日間(2001年 8月11日〜12月18日)の長期滞在を行ったロシア人男性宇宙飛行士(41歳)一名を被験者として,定期的に半構造化された問診・面接を行った。
  B. 問診
 本研究における半構造化問診とは,問診の質問項目の順序や抑揚については毎回常に同じになるようにするが,健康管理的な側面を重視し,軌道上宇宙飛行士の回答内容に気になる点があった場合等には追加の更問を認める形式の問診を意味する。
 問診はロシアサービスモジュール(以下「SM」とする)内にて実施した。問診と面接はモスクワにある地上管制室から相互の音声・映像回線によって実施され,半構造化面接実施の訓練を受けたロシア人研究者により,被験者の母国語であるロシア語によって全13回実施された。しかし,一部音声・映像回線の地上へのリアルタイムダウンリンクの不可能なスケジュールの場合は,船内において,本面接実施のために訓練されたロシア人宇宙飛行士によって同一項目の問診が行われた。質問項目は,表1の身体・心理状態に関する15項目の質問をロシア語に翻訳したものを用いた。1セッション(1回の問診の開始から終了まで)に要する時間は3分程度であった。飛行中の問診は,原則として作業が開始される前の朝方にスケジューリングされていた。問診日は,他のミッション/実験スケジュールとコンフリクトの無いように,平均して10日に1度程度の間隔で,かつ船外活動や補給船の到着のような重要なイベントになるべく近しくなるように(イベントと測定日の関係については図5参照)事前に調整されたスケジュールに基づき,計13回(8/25, 26, 9/5, 12, 20, 27, 10/7, 10, 21, 11/3, 15, 28, 12/6)の問診を行った。

表1 質問項目(日本語版)
No. Questions
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
おはようございます
今日の調子はどうですか ?
食欲はありますか ?
昨夜はよく眠れましたか ?
昨夜は何か夢を見ましたか ?
どんな夢でしたか ?(省略可)
どこか身体で痛いところはありますか ?
疲れていますか ?
今日の気分はどうですか ?
今日の作業をやる気が十分ありますか ?
いま,集中力はありますか ?
いま,何か不安なことはありますか ?
いま,眠いですか ?
今日のこのセッションについてどう感じますか ?
それでは今日のセッションを楽しんでやって下さい

C. 撮影
 撮影は,HDTVの操作・撮影の訓練を受けたロシア人宇宙飛行士が担当した。問診の様子をHDTVカメラにより被験者の顔から膝下までの部位を撮影し,録画したビデオテープを地上へ持ち帰った。
  D. 評価
  被験者の問診映像をJAXA筑波宇宙センター内のHDTV再生システムを使用して分析した。分析・評価は,別個の精神・心理専門家計4名が,各々独立した機会に視聴し,あらかじめ定められた評価基準に従って行われた。各々の評価が全て終了するまで,4名の評価者間で相互の情報の交換はなかった。さらに,被験者の滞在スケジュールや,ISS滞在中に経験した大きなイベント,船外活動(Extra Vehicular Activity: 以下「EVA」とする)やプログレス補給船の結合・分離などの情報は,評価者には事前に一切与えられなかった。
  本研究では,目標とする「閉鎖環境への時系列的適応過程評価手法」を検討するために,面接に対する回答態度をもとに,被験者の認知機能状態,ストレス反応としての緊張状態,これら両者の表出に関係するモティベーションについての分析を試みた。これらの3項目を評価するために,「質問への反応時間」及び「行動観察による適応状態評価」,の二種類の評定項目を指標として設定した。
  1. 質問への反応時間
  被験者の質問への反応時間に関する先行研究として,MatsuzakiとMiyamoto20) はモスクワで行われた長期閉鎖実験の被験者に対して行った同様な半構造化問診に対する反応時間平均値を解析・評定した研究がある。Matsuzakiらは,閉鎖環境滞在に不適応を生じた被験者は滞在を完遂した被験者よりも,反応時間の動揺が大きいことを示し,適応状態との関連を示唆している。本研究では,全15問に対する平均反応時間の時系列的変化についての分析に加え,質問項目を自らの認知過程についての認知であるメタ認知の有無の観点28) から,大きな内省の必要でない直感的質問項目群(質問番号: 4, 7, 8, 10, 12, 13)とメタ認知の必要とされる情動的質問項目群(質問番号: 2, 3, 5, 6, 9, 11, 14)の2群を抽出し,両群の反応時間の平均値・及びそれらの乖離状況についても分析した。質問番号1及び15については,質問ではないため反応時間の計算からは除いた。
  身体的状態に関する質問により構成される直感的質問群は,その回答過程においてメタ認知を巻き込まないと考えられる。よって,反応時間は,被験者の精神・心理状態に影響を受けることなく,ほぼ一定に保たれると推測できる。一方,被験者の情動に関係する質問により構成される情動的質問項目群は,回答に至るまでの過程に自らの認知過程について認知する必要があるため,メタ認知機能を介すると考えられる。したがって,この質問項目に対する反応時間は被験者の精神・心理状態の影響を受けると推測される。
  2. 行動観察による適応状態評価
行動観察は,「緊張度」と「モティベーション(作業への取り組み姿勢)」の2点を評価するために実施した。これらの評価に際しては,経験を積んだ精神心理専門家の合議により,臨床経験に基づき,
    1) 姿勢の変化(上半身・下半身),
    2) 手足の動作,及び
    3) 表情の変化
  の3項目を指標として用いることとした。

表2 行動観察における観察項目
 
1
2
3
4
5
姿勢(上半身)
(posture)
動き無し
頭部のみ動くor
上半身がわずかに
動く
頭部大きく動くor
[上半身わずか &
 頭部わずか]
頭部大きく動くor
上半身揺れる
上半身大きく
揺れる
手(arm)
足(leg)
表情(face)
動き無し
動き無し
情動表出無し
指が動く
わずかに動く
短い/小さいsmile
手が動く
足全体がわずかに動く
長い/大きいsmile
別の所を触るor
腕を曲げる
膝を曲げて動く
laugh
腕を大きく動かす
両膝を曲げて
大きく動く
大笑い
※回答と関係なく,下記の行為は算定しない。
・明らかに姿勢保持目的のもの
・マイクの方向を(必要に即して)動かす
※今回は当てはまるものがなく使用しなかったが,表情に怒りの反応がある場合,上記のものは使用せず下記の点数を付け区別する(評価式には直接代入可能とする)
 
1
0.75
0.5
0.25
0
表情(face)
短い/小さい怒り面
長い/大きい怒り面
怒鳴り
大きな怒鳴り

観察された指標は,動きの程度によって,表2に示された5段階に評定された。評定は前述のように別個の精神・心理専門家計4名が各々独立した機会に実施した。すべての評定の終了後に,4名の評定者によって評定点の基準点と振幅に関する補正に関する合議を実施して,最終的な評価とした。最終評価とされた各行動観察項目における得点は,SFINCSSで行った半構造化問診を用いた研究において,熟練した精神科医が評定した「緊張度」と「モティベーション」についての評価と,体動及び表情評定得点の結果の関係から得られた以下の算出式に基づいて,「緊張度」を0(低緊張)〜10(高緊張)に「モティベーション」を−5(低モティベーション)〜 +5(高モティベーション)に数量化した。
※ 算出式(いずれも得点は最終評価のものを用いた)
  1) 緊張度: 
  2) モティベーション: 5−((| 2.5−face |÷2.5)×10)


  E. 倫理的側面
  本研究計画は,事前に宇宙開発事業団有人研究倫理委員会(当時)及びISS上で実施される人間を対象とした研究の倫理的側面に関する国際調整の場である有人研究多数者間検討委員会(HRMRB)による審議と承認を受けた。また実験の実施にあたっては,被験者に事前に充分な説明を実施し同意を得た。


III. 結果
  A. 反応時間

  図1に,セッションごとの質問群あたりの反応時間の時系列的変化を示す。最初の2回分(8月25・26日分)の面接の反応時間は音声の状態が悪く測定不可能であったため第3セッション以降の11セッション分(13回中)のデータを示す。両質問群の反応時間の値には大きな乖離は認められないが,9月27日,10月10日,及び11月28日のセッションにおいて比較的大きな反応時間の増加が見られた。直感的質問群と情動的質問群の反応時間の乖離が見られ,多くの場合情動的質問項目群における反応時間が直感的質問項目群のそれよりも延長していた。ミッションを通じた各質問項目群の平均値(±SE)は,直感的質問群=0.69±0.05,情動的質問群= 0.72±0.05,全質問平均(Q1・15を除く)=0.71± 0.03であった。

図1 各セッションの質問群ごとの反応時間の推移

B. 行動観察による適応状態評価
  行動観察に基づいて評価された「緊張度」の時系列的推移を図2に示した。「緊張度」は大きな高まりは見せなかったが,見かけ上9月5日,10月7日,11月28日をピークとする緩やかな三峰性の変化を見せ,この間で緊張度が減少していることが観測された。ミッションを通じた緊張度の平均値(±SE)は5.6±0.25(cv =0.16)であった。
  同じく,「仕事への取り組み(モティベーション)」の時系列的推移を図3に示した。「モティベーション」は初期にはBDCと比較して大きな変化はなかったが,9月20日に高まりを見せたのちは若干低下してプラトーを示し,帰還前の時期には最も低い値を示したことが観測された。ミッションを通じたモティベーションの平均値(±SE)は0.9±0.36(cv =1.48)であった。

図2 緊張度の推移
図3 モティベーションの推移


IV. 考察
  一般的に,新奇環境への適応においては典型的な適応パターン1) が存在する。初期には,新奇環境への積極的な適応をめざして努力する初頭努力と称される時期が存在し,適応状況は,本来の不満や葛藤が無意識に抑圧されて表面化しない過剰適応傾向となる。続いて次第に環境への慣れが生じてくると,精神的疲弊が表面化・顕在化し,認知機能の低下,情動不安・抑うつなどの様々な症状が出現する。そして期間の最終段階では後期努力と呼ばれる状況が出現し,再適応が促進される。
 宇宙ステーションの滞在は,言うまでもなく微小重力や閉鎖環境など非常に新奇性の高い環境であるといえる。上述の適応パターンをあてはめれば,本研究においては,宇宙滞在初期における良好なモティベーション・認知能力,及び低い緊張状態,中期におけるこれらの悪化,後期における回復が想定されるが,評価の結果このような適応パターンを示さなかった。得られた結果は,何らかの精神的適応状態の変化を捉えている可能性が推測されるが,それぞれの実験データのみではこれらの反応が不適応の兆候を捉えたものであるのかを判断するには不十分である。さらには,認知状態やストレス反応,モティベーションは,被験者の体験したイベントによって影響されることは経験的に了解可能であり,閉鎖環境下でのそのような影響は先行研究によっても報告されている11,12)。従って,次に,本実験から得られたデータ結果と実際のミッション遂行上の主要イベント(EVA, プログレス補給船到着・訪問(交代)クルーの滞在)とを照合してさらなる考察を行った。
  A. 反応時間
  図4に反応時間の時系列的推移と被験者滞在中のISSにおけるイベントとの関連を示した。認知機能の測定に対して,反応時間は有効な測定指標であることが知られており13),被験者の反応態度が適切である場合,この場合ミッションに対する被験者のモティベーションが維持されている条件下では,被験者の認知機能を反映すると考えることができる。このような観点から本実験の結果を改めて分析すると,ミッション後期(11月15日以降)にモティベーションの急激な低下が観察された(図2, 5)。すなわち,以降の時期(11月28日および12月6日のセッション分)の反応時間データは,認知機能を反映する意味において信頼性が低いと判断しうるため,反応時間に関する考察は,これら最後の2回分のデータを除外して行った。

図4 反応時間の推移とISSにおけるイベントとの関連

改めて直感的質問項目群,情動的質問項目群および全質問の,宇宙滞在期間中の反応時間の平均値(±SE)を記すと,それぞれ0.69±0.05, 0.72±0.05であった。直感的質問項目群と情動的質問項目群の値を比較すると,後者の反応時間は前者と比較してより長い反応時間がかかっていることがわかる。直感的質問項目群はメタ認知機能を巻き込まない質問項目群であるため,その反応時間は被験者の精神・心理状態に影響を受けることが少なく,その結果情動的質問項目群より小さな値を示したと解釈できる。
  また,ほとんどの場合情動的質問群の値が大きかったものの,両群間で推移の傾向が似通っていたことからは,精神心理的状態は反応時間自体に影響を及ぼすことが示唆された。このため,次に,全体的な反応時間の経時的推移についてさらに詳細に考察していく。
  9月27日の反応時間には延長がみられ,特に情動的質問群において増加の割合が著しかった。また図4に示されているように,この時期には大きなイベントの予定はなかった。このため,この延長はイベントに関連した精神心理状態の変化を反映していると考えるよりも,むしろ船内環境に適応したために,緊張感が緩和されて情動的な反応が豊かになってきた結果,(特に情動系の)反応時間の増加として表出されたと解釈するほうが適当であろう。
  一方で,10月7日のセッションにおいては反応時間が短縮していることがわかる。これには翌日10月8日に予定されていた第一回EVAという大きなイベントによる影響が推測される。これは船外活動用宇宙服を着用し,無重力高真空下の極限環境下で一回に数時間も連続して作業を行うという,肉体的にも精神的にも大きな負荷となる作業である。すなわち,この第一回EVA任務遂行に向け,緊張とともに被験者の集中と覚醒レベルが上昇し,その結果反応時間の短縮として表現されたと推測される。
  また,10月10日セッションでは,再び反応時間の大きな延長が観察された。この日は第一回と第二回(10月14日)EVAの間にあたる。この時期は,第一回EVAが成功裏に終わったという安心感と,第二回までにはまだ日があるという余裕から,被験者の緊張感が緩和し精神的にも余裕が生じた結果として,9月27日の結果と同様に反応過程に延長が出現したと推測できる。
 続く10月21日,11月3日,15日には反応時間は短く,かつほぼ一定に保たれていたことから,この期間の認知機能は高く維持されていたことが示唆された。これは10月21日〜30日の訪問クルーの滞在イベントに関係して,適度な緊張感と覚醒レベルが保持されていた一方で11月5日の第三回EVAに対しては経験を積んだことで緊張感が減少したためと推測される。
  ここまで言及した反応時間の「速い」,「遅い」は,あくまでも個人内の相対的な値をもとにしており,サンプル数の少なさもあり絶対的な閾値や変化率についてまで確言することはできない。しかしながら,上記のように,反応時間はミッション中のイベントと対応した時系列変化を示していた。本実験において,構造化された問診に対する反応時間は,被験者の精神心理状況・認知機能評価の有用な指標になる可能性が示唆された。現状,長期滞在宇宙飛行士の認知機能については,月に一度,20分程度かかるコンピュータテストをNASAが自国の宇宙飛行士について行っているのみ(ロシアも認知機能評価を行っているらしいが詳細は未だに詳らかではない)である。このように負荷の少ない手法によって精神心理状況・認知機能を測定できれば,運用上の意義も大きい。今後は,当該認知機能検査との併存的妥当性についても検討を進めたい。
  B. 行動観察による適応状態評価
  図5に緊張度・モティベーションの評点の推移とISSにおけるイベントとの関連を示した。学習心理学におけるヤーキス=ドットソンの法則を準用して,一般に,適度の緊張度と高いモティベーションが高いパフォーマンスを示す最適な精神心理的状況であり,緊張度が高くてもモティベーションが低くても最適なパフォーマンスを発揮できないとされている。このことから本実験では,被験者の示した緊張度とモティベーションの高低のパターンにより,ミッションを以下の5つの時期に分類した:
 初期不適応期(〜9月10日頃)
 第一適応期(9月10日頃〜10月3日頃)
 充実期(10月3日頃〜10月17日頃)
 第二適応期(10月17日頃〜11月15日頃)
 モティベーション低下期(11月15日頃以降)
以下に各時期の特徴について記す。

図5 緊張度・モティベーションの評点の推移とISSにおけるイベントとの関連

1. 初期不適応期
  資材の運搬スケジュール上,被験者のISS滞在開始直後のデータが得られなかったために不分明な点は残るが,9月5日のセッションにおいてモティベーションは中程度であるが,緊張度がこれを上回って高い値を示していた。また,宇宙ステーションの滞在時期と同程度であったサリュート6長期ミッション時の飛行士の精神状態に関するロシアの先行研究から,宇宙環境適応には2週間以上要するとの報告が得られている8) ため,この時期を便宜的に初期不適応期とした。
  2. 第一及び第二適応期
  これらの時期には緊張度はベースラインと同じかやや低く,一方でモティベーションは高く維持されている。精神・心理的に最も安定し,ISS環境とミッション遂行に適応した状態であると考えられる。第二適応期には第3回目のEVAが行われたが,充実期に見られたような緊張度の上昇は観測されなかった。これは,すでに被験者が2度のEVAを成功裏に終了させていたので,緊張度の上昇が抑えられたためと推測される。
  3. 充実期
  この時期には2度のEVAという大きなイベントがあった。精神心理状態としては,緊張度が高くなり,モティベーションも第一適応期に引き続き高く維持されている。緊張感・モティベーション共に高く良好な状態でこれらの任務が遂行されたことが推測される。
  4. モティベーション低下期
  ミッションの最終段階において,緊張度の上昇とモティベーションの急激な低下が観測されたため,この時期をモティベーション低下期とした。ここで観察された高い緊張度と低いモティベーションの組み合わせは,本項考察の冒頭で述べたように,環境に対する何らかの精神心理的不適応を示唆すると考えられる。説明可能な推測として,ここまでに被験者は三回のEVAを成功させ,またミッションも最終段階に入り,EVAの実施もなく,かたや交代クルーの到着も予定されていたために,被験者にモティベーションの低下が出現したことが考えられる。
  このように,緊張度とモティベーションの推移パターンとミッション中のイベントを照らし合わせ,適応過程を分類することは,ミッション中の飛行士の精神心理的適応状況を推定し,飛行士自身にも自覚されない精神心理的問題点をの出現を予見するために極めてに有効な方法であると考えられ,今後とも同方法によってエビデンスの確立のために必要な被験者数を確保するべく実験研究を継続する必要があると考えられる。しかしながら,適応過程を正確に評価するためには,今回我々が入手できたミッション中の活動スケジュール以外にも船内で起こったイベントや身体的状況に関する情報が必要であることは言うまでもない。今後は,ロシア・サービスモジュール医学実験の一環として行われた,HDTVを用いた視診による身体機能評価の結果との照合も含めてさらなる分析を進める必要があるものと思われる。
  また,本実験において,「緊張度」および「モティベーション」は比較的変動の小さい時系列変化を示した。これはSFINCSS プロジェクトの結果20) と異なる。本実験およびSFINCSS プロジェクト被験者2名の緊張度とモティベーションの差違を表3に示した。SFINCSS被験者2の「緊張度」と「モティベーション」は本実験被験者(宇宙飛行士) およびSFINCSS被験者1のそれに比べて変動が大きい。SFINCSS被験者1は宇宙医学専門家であり,被験者2は一般大学院生であった。また,後者は実験継続へのモティベーション低下により,閉鎖滞在60日終了時点で(110日の滞在予定)本人の要請に基づき,実験への参加を中止した。つまり,SFINCSS被験者2に比べ,宇宙医学研究の経験を積み,実験継続に関する専門的興味のより大きい被験者1は精神的に,より安定し高いモティベーションを維持しており,これらの精神心理状態を本実験で用いた半構造化面接の緊張度・モティベーションによる二次元評定方法は,的確に捉えることができたと考えられる。

表3 本実験とSFINCSSにおける緊張度とモティベーションの比較(平均±SE,(変動係数))
 
本実験
SFINCSS
被験者1
被験者2
緊張度
モティベーション
5.6±0.25(0.16)
0.9±0.36(1.48)
5.5±0.25(0.18)
1.3±0.38(1.13)
4.8±0.46(0.28)
−0.6±0.88(4.57)

C. 今後の課題
  最後に,方法論上の課題であるが,反応時間測定に関しては,測定を手作業で行ったために誤差が生じやすかった。今後は,ビデオの音声トラックからの解析を使用した,より正確な反応時間測定が必要になろう。また,行動解析については,現在実施されている地上閉鎖実験,さらには非閉鎖系における実験などから評価基準に関する客観的な再検討を加えていく必要がある。これらの方法論に関しては,近年,質的研究の研究分野で方法論が確立されてきており,客観化しにくい質的データを如何に客観化するかについての科学的な方法論の検討がさかんに成されるようになってきた。グラウンデッドセオリーアプローチやプロトコール分析などの方法論を基礎として,本研究の方法論の妥当性について構成概念から再検討することも重要な作業であると考えられる。そのためには,今後ともJAXAにおける宇宙精神医学心理学分野研究のグランドデザインに沿って,軌道上ならずとも地上閉鎖環境等において国際共同実験も視野に入れた実験研究を計画・実施していきたい。
  加えて,本実験では,使用されたマイクやヘッドフォン,ISS内で姿勢を固定するための方法等の測定環境条件が一定ではなかった。セッションによっては,被験者が発話のたびにマイクのスイッチを押したり,姿勢保持が困難と見受けられることがあった。これらのアーティファクトの実験への影響も考えられるため,今後は測定環境条件を一致させることも重要である。さらに,ISSという統制しにくい環境の制約はあるものの,被験者が面接者から受ける影響を軽減するために,つねにリアルタイムダウンリンクが可能な状況で,精神心理専門家による半構造化問診を実施することがより望ましいと考えられる。
  なお,今回は「実験」の枠組みであったために利用は不可能であったが,軌道上宇宙飛行士の精神心理状態や認知機能の推定は,1) 宇宙飛行士自身のログ(作業記録),2) 地上管制要員のログや交信記録,あるいは3) 宇宙飛行士の作業時のエラーなどの記録,等をクロスリファレンスすることによって精度を上げることが可能である。本研究の成果を実運用に反映させるに当たっては,これらのデータを得ることが重要であろう。
  また,宇宙医学研究においてはその実験環境の特殊性から研究デザインにおいて十分な被験者数を確保することが困難であることが多い。とくに本研究のような人間を被験者としてのデザインでは,再現性の確認のための実験の繰り返しが難しい。したがって,今後は今回得られた知見をもとに政府の宇宙医学研究戦略方針とJAXAグランドデザインに基づいて,倫理規定と安全性の確保に十分に留意しながら,可能な限りの再現実験を実施する方向で検討している。現段階では以下の実験が予定されている。

1 北海道大学閉鎖設備における地上シミュレーション実験の実施
2 国際協調の枠組みでの,JAXA閉鎖環境訓練施設内での国際共同実験
3 米国海底基地での,宇宙飛行士滞在訓練実験
4 ISS実運用ロシアモジュールにおける宇宙軌道上実験

これらの知見を集積することで,本研究結果の再現性の確認がなされ,評価精度に関する改善が期待されるものと考えている。


V. まとめと展望
  本研究は,宇宙開発事業団(当時)により,ロシア・サービスモジュール医学実験の一部として(http://jem.tksc.nasda.go.jp/kibo/kibomefc/index.html#hdtv),国際宇宙ステーションに滞在した宇宙飛行士を被験者として,半構造化問診を実施し,HDTVシステムによって撮影したビデオから,飛行士を分析し,精神心理的適応過程を評価した。本研究の結果から,反応時間と客観的行動観察の手法により,長期ミッション中の宇宙飛行士の精神心理的適応状態の変化を定量的に捉える事が可能なことが示唆された。その質的な内容,すなわち反応時間の乖離や延長及び緊張度とモティベーションの変化に関する要因については現段階で入手している情報の照合によりほぼ妥当な結果を得ることができたと考えられる。今後は,以下の3点につき,さらなる研究を継続していきたい。

1 本論文によって推測された宇宙飛行士の適応状況評価の妥当性について,実際のロシア人被験者もしくは関係当局と情報を交換することで科学的な検証を行う。
2 質的な内容を検討を進めるために,発話内容に関する分析をプロトコール分析14) の手法を導入して解析する。
3 HDTVを用いたロシア・サービスモジュール医学実験の一環として行われた,視診による身体機能評価および微小重力が表情筋に及ぼす影響に関する研究の解析結果との照合を行うことで,HDTVシステムを用いた健康管理手法による包括的な評価方法を検討する。

本研究は宇宙開発事業団宇宙医学研究開発室(当時)が日本人宇宙飛行士の健康管理の目的で定めた精神心理分野に関する研究方針に基づいて計画・実施された。今後ともISS実運用における日本人宇宙飛行士の健康管理システムの確立のために本研究の結果をもとにさらに他の精神心理分野の研究成果と照合しあいながら,中長期的な視点で研究を推進していきたい。

文 献
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連絡先: 305-8575 つくば市天王台1-1-1
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