宇宙航空環境医学 Vol. 43, No. 2, 75-88, 2006

原著

90日間の6度ヘッドダウンベッドレストによる身体組成の変化

須藤 正道1,2,関口 千春1,2,渡辺友紀子3

1東京慈恵会医科大学 宇宙航空医学研究室
2宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部 宇宙医学グループ
3有限会社 スペースゲイト

Body Composition Changes by Impedance Method on 90-Day Bed Rest

Masamichi Sudoh1,2, Chiharu Sekiguchi1,2, Y ukiko Watanabe3

1Division of Aerospace Medicine, The Jikei University School of Medicine
2Space Medicine Group, Human Space Technology and Astronauts Department, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA)
3SpaceGate, Ltd.

ABSTRACT
  If physiological changes such as body fluid, body fat, and muscle mass can be easily measured using a portable onboard device in the International Space Station (ISS), it may serve as a useful device for health care of astronaut during long duration space flight. This study was conducted in order to validate the usefulness of bioimpedance method under a simulated weightlessness. Twenty five healthy male Caucasians underwent 90-day 6° head-down tilt bed rest in France. The subjects were assigned to three groups: control (CON) group, exercise (EX) group, and pamidronate (PMD) group according to requirements from other research groups. We measured changes in impedance value with modified TANITA body composition monitoring device on days 13, 10, 8, and 3 before the start of bed rest for baseline; on days 2, 3, 8, 14, 30, 61, and 88 during bed rest; and on days 1, 2, 6, 13, 44, and 93 during the recovery period. We calculated changes in fluid volume, body fat, and muscle mass from impedance values throughout the study period. Moreover, we examined reliability of estimated body fat ratio and muscle mass, by comparing the calculated data with Dual Energy X-ray Absorptiometry (DXA) conducted at the same timings. In the CON and EX groups, the fluid volume of the upper extremities increased immediately after the onset of bed rest, and remained high during the bed rest period. It returned to the baseline at day 7 of the recovery period.
  The fluid volume of the lower extremities decreased immediately after the onset of bed rest and remained low throughout the bed rest period. In the PMD group, similar patterns of changes were observed, but they were not significant. Body fat ratio increased toward the end of bed rest in the CON and EX groups, but it did not change remarkably in the PMD group. Estimated muscle mass decreased in all the groups during the bed rest period. The estimated values using bioimpedance method were highly correlated with DXA data (=0.615 for body fat ratio and r =0.853 for muscle mass). These results suggest that TANITA body composition monitoring device might be a good method for monitoring body fluid and muscle mass changes in space. Improvements of this device and inflight experiment, however, are needed to validate this method for actual use in the ISS. 

  (Received: 19 June, 2006 Accepted: 20 July, 2006)

Key words: bed rest, impedance, body composition

 

はじめに
 長期宇宙滞在に伴い,体液の移動3,9,18,19),循環血液量の減少4,5),骨量の減少10,20),筋肉量の低下17) などが報告され,その対策の1つとして宇宙飛行士は種々の運動をほぼ毎日軌道上で実施することを余儀なくされている。現在,これらの運動対策が適切に実施されているかの1つの指標として飛行中の体重変化を定期的に評価しているが,これは体液移動の因子なども含まれるため,その解釈は難しい。また,筋肉量が減少し,脂肪量が増加すれば体重に変化は現れない。そこで筋肉量や体脂肪量の変化をモニターできればより直接的に運動の効果を評価でき,長期宇宙滞在時の宇宙飛行士の健康管理として有用であると考えられる。 生体各部のインピーダンスを測定することにより12),その部位の水分量の変化を非浸襲的且つ簡便に測定することが可能である7)。この方法を用い,生体各部のインピーダンス値の変化より体脂肪量や筋肉量を推定することが可能である6)
 この研究はJAXA(宇宙航空研究開発機構,旧NASDA),ESA(欧州宇宙機関),CNES(仏国立宇宙研究センター)の合同で,フランス・トゥルーズ市にあるMEDES(フランス宇宙医学・生理学研究所)で2001年から2002年にかけて行われた “国際共同長期ベッドレスト研究−90日間の6度ヘッドダウンベッドレストが人体に与える影響(筋骨格系・尿路結石形成・睡眠)−” の一部として宇宙における身体組成計測の有用性を検討することを目的として行われた。
 今回の実験は90日間の6度ヘッドダウンベッドレストにより微小重力状態を模擬し,その間の生体インピーダンス値の変化を測定し体液量,体脂肪率,推定筋肉量の変化を観察した。またDXA法(二重エネルギーエックス線吸収測定法)による脂肪量,筋肉量の測定結果と比較検討し生体インピーダンス法による身体組成計測の有用性を検討した。
 
方法
 今回の研究は,2001年から2002年にかけ“国際共同長期ベッドレスト研究” として行われ,研究内容に関しては,NASDA(現JAXA)および実験を実施したRangueil病院(Toulouse, FRANCE)の倫理委員会の承認を得たものである。
 被験者はヨーロッパ国籍を有する健康なコーカシアン成人男性25名とし,他の研究の目的のため,対照群,運動負荷群,薬剤投与群の3群に分け,90日間の6度ヘッドダウンベッドレストによる模擬微小重力実験を行った。対照群はベッドレスト中何も行わなかった9名(32.0±3.7歳,身長173.4±3.0 cm,体重71.7±5.4 kg,体脂肪率18.6±4.9%),運動負荷群はESAが開発したflywheel運動機器20) を用いてベッドレスト5日目から3日に1回の頻度で30分間の筋力トレーニングを行った9名(32.4±5.1歳,身長175.4±4.6 cm,体重70.6±5.5 kg,体脂肪率15.6±3.6%),薬剤投与群は骨粗鬆症治療の目的で有用性が認められているビスフォスフォネートをベッドレスト開始2週間目に静注し,ベッドレスト中は対照群と同じくなにも行わなかった7名(33.4?±3.4歳,身長175.1±4.8 cm,体重71.0±8.6 kg,体脂肪率16.8±4.3%)である。
上記3群の被験者に対し,体液量,体脂肪率,推定筋肉量の変化を生体インピーダンス法を用いて測定した。
 生体インピーダンスの測定は,ベースライン期間としてベッドレスト開始の13,10,8,3日前,ベッドレスト中の2,3,8,14,30,61,88日目,ベッドレスト後回復期の1,2,6,13,44,93日目に行った。また,体脂肪率,推定筋肉量の算出に必要な身長および体重も同日に臥位のままで測定した。
 生体インピーダンス測定は,タニタ社製8電極方式体組成計(BC-118)を改良して用いた。BC-118体組成計は体重計に付けられた足用電極とグリップ式の手用電極の間に一定の周波数の電流を流し,手,足,全身の生体インピーダンスと体重を測定し,入力された身長,性別と合わせて除脂肪量を推定し,体脂肪率,脂肪量,除脂肪量,推定筋肉量を出力するものであるが,この体組成計は従来地上での測定装置であるため立位にて測定する装置である。しかし今回の実験は臥位での測定になるためこの装置の体重計に取り付けられた足底部の電極は使用できない。そこで足背部にゲル状電極を貼り付けるように変更し,臥位での測定ができるように改良した。また,装置本体も大型のため,ベッドサイドで使用できるように小型にした。さらに体重測定を同時に行えないので別途体重を測定した。改良した装置の生体インピーダンス測定用電極は手用電極にはグリップ式,足用電極には足背部にゲル状電極(XTRON IS4000)を用い,一定の微弱電流(500 μA,50 kHz)を手―手,足―足,手―足間に流し,両手間,両足間,手足間(手足間のインピーダンス値は全身に相当する。左右差はあまり考えられないが右半身と左半身の両方を測定した。)の4箇所の電圧を測定し,各部位の生体インピーダンス値を測定した。(Fig. 1)
 計測した生体インピーダンス値は体組成(体液,組織は導電体,脂肪は絶縁体)によって変化する。この値は体液量の変化の指標となり,また,身長,体重の値で補正し,体脂肪率,推定筋肉量を求めることができる6)。体脂肪率および推定筋肉量の計算はタニタ社の重回帰式を用いた。改良した装置は日本で予備実験を行い,市販の装置と同様の結果が出ることを確認した上でベッドレスト実験に用いた。
 身長の測定はベッド上の仰臥位で測定できるようにメジャーを改良し,頭と足を挟む大型のノギスを作成し測定した(Fig. 2)。体重の測定は既存の装置で臥位の状態で測定した。
統計処理に関しては,ベッドレスト開始前のベースライン値に対する各測定日の差および同一測定日の各群間の差を有意水準5% として検定した。統計解析ソフトにはSAS Institute社製StatView Ver. 5.0?を用いた。

Fig. 1. Bioimpedance monitor and the measuring conditions Each subject had impedance electrodes on both palms and insteps, and a weak electric current (500 μA, 50 kHz) was applied between both palms, both insteps, and both laterals to measure electric voltage and to calculate impedance.
Fig. 2. Height scale for measuring in spine position. Scale and plates enable height measurement in spine position (invented by the author)


結果
 全身インピーダンス値および基本データの変化
 全身のインピーダンス値の変化をFig. 3に示した。○は対照群(CON),△は運動負荷群(EX),□は薬剤投与群(PMD)を表している。全身のインピーダンス値は今回測定した右半身と左半身のインピーダンス値を合計したものを用いた。値は個人差が大きいため各個人のベースラインデータの平均値を基準として変化率であらわし,各群(対照群,運動群,薬剤投与群)の平均と標準偏差を求めた。Fig. 3を見ると全身のインピーダンス値はベッドレスト開始直後より5% ほど高くなり,ベッドレスト期間中ほぼその値を維持した。このことは全身の体液が減少したことを意味している。また,回復期にはインピーダンス値は減少し,体液量は増加していることを示した。しかし,対照群,運動群,薬剤投与群の3群間には有意な差は見られなかった。

Fig. 3. Changes in whole body impedance during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05
Fig. 4. Changes in body weight during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7)

体液量が変化すれば体重もそれに伴い変化すると考えられる。そこで体重の変化をFig. 4に示した。値は各個人のベースライン値を基準として変化率であらわし,各群の平均値と標準偏差を求めた。体重はベッドレスト期間中低下し,回復期には増加を示した。これはFig. 3に示した全身インピーダンス変化と逆の形の図となり,ベッドレスト中のインピーダンス値の増加,つまり体液量の減少と体重の減少が同じように変化したことを示している。

Fig. 5. Changes in urine volume during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Twenty-four-hour urine output was pooled on the same day when impedance was measured, and the total volume of urine was measured at the end of each 24-h period. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05
Fig. 6. Changes in water intake during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Fluid intake data represent intake from liquid and food on the same day when impedance was measured. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05

水分摂取量と尿量の変化をFig. 5,Fig. 6に示した。水分摂取量は飲水量および食物中の水分量を合計し,尿量は24時間蓄尿により1日量を求めた。水分摂取量の回復期14日目からはデータを取得していないため記載していない。尿量,水分摂取量とも,ベッドレスト中わずかに増加する傾向にあるがほとんど変化は見られなかった。しかし,ベッドレストによる脱水状態を防ぐため,ベッドレスト中の水分摂取量は1日に体重1kgあたり30 ml以上を目標と定めたため,1日に3,000 mlまでの水分摂取が許可されていた。そのため,ベッドレスト中の食事中の水分量も含めた総水分摂取量は約3,500 mlとかなり多い値を維持した。また,ベッドレスト終了後は水分摂取量の制限をしなかったためベッドレスト終了後初期に水分摂取量,尿量の一過性の増加が見られた。その後はベースライン値に戻っている。尿量はベースライン,ベッドレスト中と変化は見られなかったが,ベッドレスト終了後回復期初期には水分摂取量と同じように一過性の増加が見られた。その後はベースライン値より少し低い値をとるが安定していた。
 起床後朝食前に採血を行い血算,生化学項目,骨代謝マーカーの分析等を検査センターにて行った。その中で脱水の指標となるヘマトクリット値の変化をFig. 7に示した。値は各個人のベースライン値を基準として変化率であらわし,各群の平均と標準偏差を求めた。ベッドレストによりヘマトクリット値は上昇し,ベッドレスト後半はベースライン値に戻る傾向を示した。回復期では初期に低下を示したが,回復期44日目にはベースライン値に戻った。

Fig. 7. Changes in hematocrit during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05


体液分布の変化
 ベッドレスト開始直後から全身のインピーダンス値が増加しているため,体液分布はすべての部位で減少した。そこで全身インピーダンスの変化の影響を削除するために,各測定日の全身インピーダンスに対する下肢(両足)と両手,頭,体幹部を合計した上半身の値の割合を求め,体液の上半身と下肢の分布の変化を求めた。全身のインピーダンス値に対する上半身の体液分布の変化をFig. 8に,下肢の体液分布の変化をFig. 9に示した。対照群と運動群はベッドレストにより下肢の体液は減少し,上半身の体液は増加し,体液は下肢から上半身に移動していることが示された。また,ベッドレスト30日目からベッドレスト終了までその変化は直線的に増加した。薬剤投与群はベッドレスト14日目までは,対照群,運動群とは異なり,下肢の体液の増加,上半身の体液の減少が見られたが,ベッドレスト30日目からは下肢の体液の減少,上半身の体液の増加が観察された。この変化は他群より少なくベッドレスト終了直前にはベースライン値に戻る傾向が見られた。回復期では対照群と薬剤投与群はベースライン値より下肢の体液は増加,上半身の体液は減少した。運動群は逆に下肢での減少,上半身での増加が見られたが,ベースラインと比較して数 % の変化であった。

Fig. 8. Changes of fluid volume in the upper extremities during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Fluid distribution of whole body toward the upper extremities was calculated as the ratio of the impedance values in upper extremities to those in whole body. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05
Fig. 9. Changes of fluid volume in the lower extremities during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Fluid distribution of whole body toward the lower extremities was calculated as the ratio of the impedance values in lower extremities to those in whole body. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05


脂肪率および筋肉量の変化
 次に各部位のインピーダンス値と身長,体重よりタニタ社製の重回帰式を用いて脂肪率と推定筋肉量を求めた。体脂肪率(全身)の変化をFig. 10に示した。値は各個人のベースラインデータの平均値を基準として変化率であらわし,各群の平均と標準偏差を求めた。全身の脂肪率は対照群と運動群はベッドレスト直後より10% 前後増加し,ベッドレスト期間中10% ほど高い値を維持した。薬剤投与群はベッドレスト直後に一過性の増加を示したが,ベッドレスト中はベースライン値と変化は見られなかった。回復期ではベースライン値より10% ほど低い値で安定した。

Fig. 10. Changes in whole body fat ratio during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Whole body fat ratio was calculated by an estimation formula with impedance, body weight, and height values. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7)
Fig. 11. Changes of whole body muscle mass during and after 90 days 6 degrees head-down bed rest. Means±SD of percent changes from the respective average values during the baseline period are shown for each time-point during bed rest and recovery periods. Whole body muscle mass was calculated by an estimation formula with impedance, body weight, and height values. (○: CON, control group n =9, △: EX, exercise group n =9, □: PMD, pamidronate group n =7) *: significantly different from the pre bed-rest value. p <0.05

インピーダンス値より求めた推定筋肉量の変化をFig. 11に示した。推定筋肉量はベッドレスト開始直後から4% ほど低下しベッドレスト期間中その値を維持した。またベッドレスト最終日では対照群はさらに低下した。運動群と薬剤投与群は対照群より変化は少なかった。ベッドレストが終了すると筋肉量は速やかにベースライン値に戻るが,回復期44日目と93日目にはベースライン値よる2% ほど高い値になった。
 インピーダンス法により求めた体脂肪率と筋肉量の値の信頼性を検討するためにDXA法で求めた値とインピーダンス法により算出した値との相関をFig. 12,Fig. 13に示した。測定は全身,腰椎,大腿骨,踵骨,頭部,前腕の骨密度,体脂肪,徐脂肪体重を臥位で測定した。今回の研究ではDXA法の測定はインピーダンス法ほど頻繁に行っていないため,DXA法の測定日と同じ日または1日前後に測定したインピーダンス値を同一日のデータとして用いた。その結果,脂肪率にはDXA法とインピーダンス法に0.615の相関があり,筋肉量に関しては0.853と高い相関が見られた。対照群,運動負荷群,薬剤投与群による変化は見られなかった。

Fig. 12. Correlation between impedance data and DXA data of body fat. The relationships between body fat data estimated using impedance and those measured by DXA were calculated by linear regression analysis. (○: CON, control group n =80, △: EX, exercise group n =81, □: PMD, pamidronate group n =63)
Fig. 13. Correlation between impedance data and DXA data of muscle mass. The relationships between muscle mass data estimated using impedance and those measured by DXA were calculated by linear regression analysis. (○: CON, control group n =80, △: EX, exercise group n =81, □: PMD, pamidronate group n =63)


考察

 身体組成の測定には二重エネルギーエックス線吸収測定法(DXA法)が用いられているが,この装置は大型かつX線の被曝などの問題により宇宙空間では現在のところ使用できない。小型の装置としては体重計付の体脂肪計が市販されているが精度に問題があるし,無重力空間やベッドレストでは体重を測ることが難しい。宇宙空間で利用可能な小型の装置で被曝などの問題のない方法としては,生体電気インピーダンス法が考えられる。今回はこの生体電気インピーダンス法を用いて身体組成つまり,脂肪量や推定筋肉量をベッドレスト実験において測定し,その有用性と宇宙飛行での利用の可能性について検討した。
 生体電気インピーダンス値は身体の2点間に一定の電流を流し,その間の電圧を測定することにより求めることができる。したがって一番単純な測定方法としては電流を流す電極が2つと電圧を測定する電極2つの4電極法がある。また,インピーダンス法による体脂肪率の測定は,体重計と一体化した装置(4電極法)が普及しているが,この方法では電極が両足の足底部のみにあるため両足間のインピーダンス測定しか行えず,下半身の体格による誤差が大きくなり,身体各部の測定も行えない。Organら11)
は身体各部に電極をつけることにより,各部分でのインピーダンスの測定が可能であることを報告している。この原理を利用して,両手の電極を追加し,両手と両足に電極を設けた8電極法により腕や足の部分的な身体組成を測定することができる。今回の装置はこの方法を用いたが,市販されている装置は体重計と連動しているため,ベッドレスト実験や宇宙空間のように体重計に立位で乗れない場合は利用できない。そこで今回の実験のため,装置を改良し,体重計に付いている電極を貼り付け電極に変え,どのような体位でも測定可能にした。しかし,体重は別途測定が必要になる。
 本実験に先立ち,装置の検討を行った。手電極はグリップ式のため握る力による影響が出るかを検討したが,軽く握った場合と強く握った場合では変化が見られなかったが,ベッドレスト実験では被験者に握り方は常に一定にするように指示した。足電極に関しては,本装置と体重計付きの市販装置では,今回はデータを示していないが,本装置のインピーダンス値が低く出る傾向にあった。これは体重計に設置された電極は足底部で,貼り付け電極は足背部による違いによるものと考えられるが,インピーダンス値に差はあるもののその変化に関しては同じであり,測定には問題ないと判断した。
 インピーダンス値は抵抗値を表しており,体の抵抗が高くなれば大きくなり,低くなれば小さくなる。体の組成で抵抗に関与するものは,体液(血液,細胞液など),筋肉は伝導体であり,脂肪は絶縁体である。今回用いた装置で測定するインピーダンス値は主に体液の変化を観察していることになる。
 全身のインピーダンス値の変化がベッドレスト開始直後およびベッドレストから回復直後に大きく変化している(Fig. 3)。これはベッドレスト前後の測定は水平臥位,ベッドレスト中は6度ヘッドダウンでの測定のため体位の6度の変化によるものと思われる。須藤ら13) の報告では,体位変換角度が6度と10度とで違うが,体位を水平から10度ヘッドダウンしたことにより直ちに(10分以内)インピーダンス値が変化することを報告している。また,Montgomery8) はインピーダンス法により7日間の水平および6度ヘッドダウンベッドレスト実験を行い,インピーダンス値の変化は我々の結果と同様にベッドレスト開始直後に変化をし,下肢の体液量は減少し,胸部の体液量は増加し,下肢の水平と6度ヘッドダウンとでは変化が見られなかったが,胸部では6度ヘッドダウンが水平より増加量は大きかったことを報告している。
 ベッドレスト開始直後に体重が減少している(Fig. 4)。ベッドレスト中の食事はカロリー摂取を制限しており,急激な摂取量の変化がないため食事量が体重に与える影響は少ない。したがって体重に比較的早く影響を与える因子として体内の水分量の減少が考えられる。
 ベッドレスト中のインピーダンス値が高い原因としては,ベッドレスト中の尿量(Fig. 5)は有意ではないが増加傾向にあるため,全身の水分が減少したと考えられる。水分摂取量(Fig. 6)は平均でベッドレスト中約6% の増加で,尿量はベッドレスト中約12% の増加であり水分の排泄量が摂取量より上回っているものと考られる。また,ベッドレスト中のヘマトクリット値(Fig. 7)は増加していることからも水分バランスはマイナスになり軽い脱水症状であったと考えられる。ベッドレスト中の食事は,運動量が減少するため体重に基づく必要摂取カロリーより300 Kcal低く制限されているが,ベッドレスト中の摂取量に変化がないことと,ヘマトクリット値の増加によりベッドレスト中の体内の水分量は減少し,体の抵抗が増加しインピーダンス値も増加したものと考えられる。
 インピーダンス値には個人差があるため,今回のデータ解析にはベッドレスト前の値を基準として変化率で表した。しかし前述したように体位が水平から−6度へ変化しただけでも体液分布が変化するため本来ならベッドレスト開始後最初の測定値からの変化を求めた方がよいと考えられる。しかし,今回の実験では,ベッドレスト開始後最初の測定値に個人差によるばらつきが大きくなったため,ベッドレスト前に4回測定した値を平均してコントロール値とした。
 インピーダンス値は抵抗値であるため体内水分量と反対の動きをする。つまりインピーダンス値が高ければ水分量は少なく,インピーダンス値が低ければ水分量は多いことを意味している。両手間のインピーダンス値から求めた上半身の水分量と両足間のインピーダンス値から求めた下半身の水分量(Fig. 9)からみると,水分は6度ヘッドダウンベッドレストにより下半身から上半身へ移動していることがわかる。また,その変化はベッドレスト直後に大きく変化し,その後やや回復傾向にある。このことは,須藤らが開発した体液分布測定装置を用いて,宇宙開発事業団(現JAXA)つくば宇宙センターで行った宇宙環境利用フロンティア共同研究のベッドレスト研究においても同様の結果が報告されている14,15)。フロンティア共同研究のベッドレスト実験は7日間と短期間で,今回は90日間と長期間のベッドレスト実験であったこともあり,ベッドレスト8日目以降も体液は下半身から上半身への移動が増加したかのようにみえる。しかしこれらの変化はインピーダンス変化のため体液のみでなくその他体組成などの要素も考慮しなければならないため今後更なる検討が必要である。
 実験条件による変化としては,対照群と薬剤投与群は,ベッドレスト中の条件は同じでインピーダンス測定には影響がないと考えられる。運動群は,フライホイールを用いたスクワット運動をベッドレスト5日目から,3日に1回の頻度で行っているが,1回の運動量は約30分と少ない。体液分布,体脂肪率(Fig. 8, 9, 10)においてベッドレストによる変化は対照群と運動群はほぼ同じ傾向を示しているが,薬剤投与群は統計的には有意ではないが他の2群より変化が少ない傾向を示した。体脂肪量に関してはベッドレストにより運動量が低下するため対照群および薬剤投与群の体脂肪率は増加し,運動群は運動の効果が現れ体脂肪量は減少することが予想されたが,統計的には3群の差は見られなかった。これは運動群の運動量が体脂肪率,筋肉量に変化を与えるほど大きくなかったためと考えられる。
 インピーダンス法による体脂肪率の測定原理は2,6),インピーダンスは体内の水分量を推定するもので,体脂肪は水分含有量が少なく伝導性は悪く,電気抵抗は大きくなる。脂肪以外の組織では水分が多く電気抵抗は小さくなる。インピーダンスは除脂肪量の断面積に反比例し,長さ(身長)に比例する。したがって生体インピーダンスは除脂肪量の体積を反映したものと考えられる。また,インピーダンス法により求める除脂肪量は年齢,性別,人種,身体活動レベルなどによっても異なるため,各集団の推定式が必要となる。
 今回測定した装置はタニタ社の製品を改良したもので,体脂肪率の算出には,タニタ社が独自に開発した推定式を元に計算した。この推定式は,脂肪組織を絶縁体と仮定して,身体各部のインピーダンス値を測定し,別途測定した身長,体重データより求めるもので,年齢による体格の違いなども考慮するため年齢,性別などもパラメータとして膨大なデータ解析により求められたものである。これにより推定された徐脂肪量を体重から引けば体脂肪量を求めることができ,体重との比により体脂肪率を算出することができる。また,体の組織は脂肪,筋肉,骨,皮膚でできており,筋肉量から骨と皮を除いたもので推定できる。
 今回の測定において体脂肪率(Fig. 10)はベッドレストにより開始直後に一過性に増加する傾向を示し,ベッドレスト中は対照群と運動群は10% ほどベッドレスト前より高い値を示し,薬剤投与群は変化が見られなかった。しかし統計的な有意差は見られなかったため,体脂肪率はベッドレストにより変化しなかったと考えられる。須藤ら16) は,7日間の6度ヘッドダウンベッドレストを行い,両手間のインピーダンス値より求めた体脂肪量が減少したことを報告している。この原因としては,ベッドレスト中の食事摂取量をベッドレスト前の80% に制限したことにより体重が減少したためと報告している。しかし,測定した装置は両手間のインピーダンス測定のみで別途体重,身長を測定しパラメータとしている。このときの体重測定は,体重計付ベッド(パラマウントベッド株式会社 デジタルスケール付I.C.U. ベッド KA895)を用いて6度傾斜状態で測定したため体重測定に誤差があったことを指摘している。今回の実験では体重は専用の体重計を用いて測定し,身長も新たに作成した臥位のまま測定できる装置を用いた為精度は高いものと考えられる。
 推定筋肉量(Fig. 11)は,3群の差はなく,ベッドレスト中有意に減少した。この原因としては,推定筋肉量の算出は体重から徐脂肪量と骨,皮膚の重量を引いたもので,今回の結果から体脂肪量に変化がなく,体重が減少したため筋肉量が減少したものと考えられる。
 生体インピーダンス法による身体組成モニタリングの有用性を検証するためには,信頼性のあるデータと比較する必要がある。今回のベッドレスト実験ではDXA法を用いた脂肪率および筋肉量を測定している。そこでインピーダンス法とDXA法とを同じ日または1日前後して測定したときのデータについて相関を検討した。(Fig. 12,Fig. 13)脂肪率および筋肉量に関して相関が見られた。(脂肪率r =0.615,筋肉量r =0.852)この相関において3群間による差,ベッドレスト前・中・回復期による相関の違いは見られなかった。しかし,DXA法での測定日がベッドレスト7日目からと回復期6日目からとなっており,インピーダンス値が急激に変化したベッドレスト初期および回復期初期のデータが含まれなかったため高い相関を示したものと思われる。したがって,生体インピーダンス法により求めた脂肪率および筋肉量は比較的精度の高いものと考えられが,比較的安定したときのデータの相関であり,体位が急激に変化したときは,体液分布が急激に変化するため単純にこの計算式で算出した筋肉量,脂肪量の変化をその変化として捉えることには問題があることが示唆された。
 すなわち,今回のインピーダンス測定で,ベッドレスト開始直後およびベッドレスト終了直後のすべての値の変化が大きくなっているが,このような数時間の間に筋肉量が大きく変化することは考えにくい。したがってこれらの変化の多くは体液移動による変化に起因するのではないかと考えられた。
 また,生体組織は周波数分散特性を持っていて,低周波領域では電流は細胞膜をとおり難いため細胞外液量の測定ができ,高周波領域では細胞膜も通過するので総水分量(細胞内液量+細胞外液量)の測定が可能である12)。この方法を用いることにより今回測定した単周波数の測定より精度を上げることも可能となり,また,細胞内と細胞外の水分量を推測することも可能である。
 以上のことより,この生体インピーダンス法により求めた推定筋肉量を単純に宇宙飛行時の筋肉量変化の推定に使用するにはまだ問題があるが,基準となる値を宇宙飛行初期とし,その変化量などで推定することは可能であると考えられる。
 したがって,インピーダンス法による体組成の測定は,今後さらに装置の改良が必要であるが,無重力空間,ベッドレストなどで,筋肉量,脂肪量,体水分量などを非侵襲的に測定する有用な装置であると考えられた。
 
まとめ
 長期宇宙滞在に伴う,体液の移動,循環血液量の減少,体脂肪量の変化,筋肉量の低下など簡易的に宇宙空間で測定できれば,滞在中の運動対策や帰還時の起立耐性低下予防の指標とすることも可能である。そこで生体インピーダンス法による身体組成計測の有用性を検討した。
 身体組成の測定は,タニタ社製8電極方式体組成計(BC-118)を改良して用いた。生体インピーダンスの測定は,ベースライン期間としてベッドレスト開始13,10,8,3日前,ベッドレスト中の2,3,8,14,30,61,88日目,ベッドレスト後,回復期の1,2,6,13,44,93日目に行った。
 上半身の体液量は,対照群と運動群はベッドレスト開始直後に増加し,ベッドレスト期間中増加したままであった。ベッドレスト後,回復期では1週間ほどでベッドレスト前値に戻った。下半身の体液量は,対照群と運動群はベッドレスト開始直後に減少し,ベッドレスト期間中減少したままであった。薬剤投与群の,上半身および下半身の体液量は対照群,運動群より変化は少なかった。
脂肪率は,対照群と運動群はベッドレスト中増加したが,薬剤投与群には変化が見られなかった。推定筋肉量は,3群の差は見られずベッドレスト中低下した。
 インピーダンス法により求めた体脂肪率と筋肉量の値の信頼性を検討するためにDXA法で求めた値とインピーダンス法により算出した値との相関を調べた結果,脂肪率にはDXA法とインピーダンス法に0.615の相関があり,筋肉量に関しては0.853?と高い相関が見られた。
今回の結果から,インピーダンス法により体液は下半身から上半身に移動していること,体脂肪率,推定筋肉量の変化はDXA法と相関が見られたことなどから,インピーダンス法による体組成計は宇宙空間においても利用可能な装置と考えられる。しかし,急激に体位が変化したときは,体液分布の変化の影響を受け脂肪率や筋肉量の推定に誤差が生じる可能性がある。
 最近開発された装置ではインピーダンス測定の周波数を変えることにより,細胞内,細胞外の水分量を推定できるようになっている。今後,インピーダンス法による体組成測定の有用性を検討するため,装置の改良等を加え精度を上げ,実際の宇宙飛行で利用可能な装置を開発した上,長期滞在時の実験が必要と考えられる。
 
謝辞
 本研究を行うに当たり,ご尽力,ご支援をいただいた,宇宙開発事業団(NASDA)(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA)),欧州宇宙機関(ESA),仏国立宇宙研究センター(CNES),フランス宇宙医学・生理学研究所(MEDES)の関係者の方々に深謝いたします。
 また,装置の改良,測定データの解析に多大なるご援助を頂いた,タニタ体重科学研究所所長の池田義雄先生,株式会社タニタ開発推進部の佐藤等氏,ならびに西澤美幸氏に深く感謝いたします。


文 献
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