42.　エネルギー状態の変化が筋核小体数に及ぼす影響 | How does the nucleolar number involve in muscle fiber atrophy ?　Response to -guanidinopropionic ACD supplementation

一般演題抄録

42.　エネルギー状態の変化が筋核小体数に及ぼす影響

松岡　由和¹，河野　史倫²，肥後　葉子³，王　　暁東²，寺田　昌弘²，藍　　勇波²，大平　充宣^1,2

¹大阪大学生命機能研究科
²大阪大学医学系研究科
³大阪大学理学部

How does the nucleolar number involve in muscle fiber atrophy ?　Response to -guanidinopropionic ACD supplementation

Yoshikazu Matsuoka¹, Fuminori Kawano², Yoko Higo³, Xiao Dong Wang², Masahiro Terada²,
Yong Bo Lan², and Yoshinobu Ohira^1,2

Graduate School of ¹Frontier Bioscience and ²Medicine, and ³School of Sciences, Osaka University

骨格筋サイズの変化に伴う筋核数の増減は良く知られているが，個々の筋核の機能については明らかにされていない。本研究では，細胞内エネルギー状態が骨格筋または筋芽細胞の核小体数に及ぼす影響を追求した。クレアチンの類似化合物である-guanidinopropionic acid (-GPA）の経口投与はラット骨格筋の高エネルギーリン酸を枯渇させるが，1% 濃度で-GPAを添加した餌を成熟ラットに2週間与えた場合，足底筋線維における筋核小体数の低下が認められた。ウェスタンブロット分析の結果，リボソームタンパク質S6のリン酸化レベル低下も認められた。また，筋芽細胞を-GPA (1 mM）添加群と非添加群に分け分化条件で2日間培養した場合，-GPA添加群で核小体数の減少および筋管の形成促進が認められた。更に，細胞周期制御因子p21陽性（G₀₋₁）の細胞においても核小体数が減少した。以上の結果から，細胞内エネルギー状態の低下による核小体数の減少がタンパク質合成や筋分化に関与したことが示唆された。