症例報告

組織型の異なる抗リウマチ薬関連リンパ増殖性疾患が2度発症した1例

服部　和哉¹　　　谷岡　書彦³　　　竹内　隆浩²
下川　伶子¹　　　北山　康彦¹

（¹静岡済生会総合病院病理診断科，²同　血液内科，³磐田市立総合病院病理診断科）

要旨: 関節リウマチをメトトレキサートで治療していた60歳代女性が鼠径リンパ節腫大を指摘され，生検で濾胞性リンパ腫grade3Bと診断された。メトトレキサートの中止により病変は消失した。以後，主にイグラチモドとウパダシチニブで現病の治療を継続していたところ1年後に咽頭扁桃の腫大をきたし，生検により高悪性度形質芽球性腫瘍と診断された。イグラチモドの中止により病変は消退した。組織型と原因薬剤の異なる2度の抗リウマチ薬関連リンパ増殖性疾患が発症したと考えられた。

キーワード:rheumatoid arthritis, LPD, MTX, iguratimod, histology

A case of two onsets of the anti-rheumatic drugs-related lymphoproliferative disorders with different histologic types

Kazuya Hattori¹, Fumihiko Tanioka³, Takahiro Takeuchi², Reiko Shimokawa¹, and Yasuhiko Kitayama¹

Departments of ¹Diagnostic Pathology and ²Hematology, Shizuoka Saiseikai General Hospital
³Division of Diagnostic Pathology, Iwata City General Hospital

（論文受付:2022年10月17日）

（採用決定:2023年7月27日）