症例報告

Dome型大腸癌の3例

市村　多恵　　　市原　　真　　　岩口　佳史
村岡　俊二

（札幌厚生病院病理診断科）

要旨: 大腸Dome-type carcinoma（DC）の3例を経験した。結腸（上行結腸2例，横行結腸1例）の0-IIa+IIc型病変に対し外科的切除術施行。腫瘍腺管が粘膜下層で拡張しながら増殖し，浸潤部周囲に密なリンパ球浸潤を伴い，desmoplastic reactionは少なく，非粘液性の好酸性物質を含む拡張腺管がD-PAS陽性の刷子縁様構造を有していた。内視鏡的に，なだらかな隆起の形成，厚みはあるが柔らかい，表面に黄色・ドット状の模様がみられるといった特徴があり病理所見と対比して検討した。

キーワードColon, Dome-type carcinoma, Gut-associated lymphoid tissue, Colorectal cancer, Adenocarcinoma

Dome-type carcinoma of the colon:A report of three cases

Tae Ichimura, Shin Ichihara, Yoshifumi Iwaguchi, and Shunji Muraoka

Department of Surgical Pathology, Sapporo Kosei General Hospital

（論文受付:2023年3月13日）

（採用決定:2023年6月24日）