症例報告

肺腫瘍塞栓症により呼吸不全を呈した
子宮体部未分化癌の1剖検例

山本　哲平^1,2　　　中村恵理子^2,3　　　盛口　�C香²
山下　　篤^2,3　　　藤�ｱ　　碧⁴　　　大西　淳仁⁴
桂木　真司⁴　　　佐藤勇一郎²

（¹宮崎大学医学部附属病院卒後臨床研修センター，²同　病理診断科・病理部，
³同　病理学講座構造機能病態学分野，⁴同　産婦人科）

要旨: 症例は73歳女性。不正性器出血を主訴に当院入院後，低酸素血症および呼吸困難が進行し，呼吸循環不全にて死亡した。剖検で子宮体癌および多臓器転移がみられ，synaptophysin陽性より大細胞神経内分泌癌と診断したが，その後の検討でSMARCA4欠失もあり，未分化癌と修正診断した。組織学的に肺腫瘍塞栓が観察され，呼吸不全の原因と考えられた。今回子宮体部未分化癌で，剖検により肺腫瘍塞栓症が明らかとなった症例を経験したので，文献的考察を加えて報告する。

キーワード:pulmonary tumor emboli, endometrial undifferentiated carcinoma, BRG1, autopsy

An autopsy case of endometrial undifferentiated carcinoma with pulmonary tumor embolism

Teppei Yamamoto^1,2, Eriko Nakamura^2,3, Sayaka Moriguchi², Atsushi Yamashita^2,3, Midori Fujisaki⁴, Junji Onishi⁴, Shinji Katsuragi⁴, and Yuichiro Sato²

Departments of ¹Center for Post-Graduation Clinical Training, ²Diagnostic Pathology, ³Pathology, and ⁴Obstetric and Gynecology, University of Miyazaki Hospital

（論文受付:2022年10月21日）

（採用決定:2023年3月16日）