総　　説

骨腫瘍病理診断─本邦50年の歩みと稀な症例

町並　陸生

（河北総合病院病理診断科）

要旨: 日本における骨腫瘍診断病理学の最近50年の歴史は，所謂，WHO Blue Book, 即ち，骨腫瘍の国際的な組織学的分類図譜の刊行とともにある。更に，「骨腫瘍取扱い規約」の刊行，日本整形外科学会骨軟部腫瘍研究会および所謂Bone Tumor Club が発足し骨腫瘍の診療と研究の場が整った。
　この50年間に筆者は興味ある骨腫瘍症例を多数経験した。本稿では，それらの症例の内で，特に珍しい興味深い骨肉腫，軟骨肉腫，骨巨細胞腫および脊索腫について，筆者自身が経験した症例を提示したい。

キーワード:bone tumor, WHO blue book, osteosarcoma, chondrosarcoma, giant cell tumor, chordoma

Resent History of Diagnostic Histopathology of Bone Tumors in Japan for 50 Years and Several Interesting Cases of My Own Experiences

Rikuo Machinami

Department of Pathology, Kawakita General Hospital

（論文受付:2023年5月1日）

（採用決定:2023年6月21日）