症例報告

術中迅速診断時に著明な多形性を示した良性髄膜腫の1例

森坪麻友子¹　　古田　拓也¹　　三好　寛明¹
大島　孝一¹　　杉田　保雄²

（¹久留米大学医学部病理学講座，²聖マリア病院脳神経病理）

要旨: 髄膜腫は頭蓋内原発腫瘍で最も頻度が高い腫瘍であり術中迅速でも遭遇する機会が多い。我々は術中迅速で腫瘍性巨細胞や多核細胞の存在が目立って診断確定の難しかった症例を経験した。髄膜腫では腫瘍内で不均一な表現型を示すことや他臓器癌の腫瘍内転移を来すことがある。このような髄膜腫の特性を念頭に鑑別疾患を挙げ，細胞診の併用や術中所見の検討を行うことが診断率の向上につながると考えられる。

キーワード:brain, meningioma, pleomorphism, rapid intraoperative examination

Rapid intraoperative examination technique:A case of benign meningioma with marked pleomorphism

Mayuko Moritsubo¹, Takuya Furuta¹, Hiroaki Miyoshi¹, Koichi Ohshima¹, and Yasuo Sugita²

¹Department of Pathology, School of Medicine, Kurume University
²Department of Neuropathology, St. Mary’s Hospital

（論文受付:2022年10月4日）

（採用決定:2022年12月26日）