症例報告

ラブドイド形質を示す成分を伴った皮膚原発悪性黒色腫の1例

松本　宗和¹　　　小林　一博¹　　　酒々井夏子¹
周　　　円²　　　岩田　浩明²　　　宮崎　龍彦¹

（¹岐阜大学医学部附属病院病理部，²岐阜大学大学院医学系研究科皮膚科学）

要旨: 悪性黒色腫は多彩な形態をとることで知られる腫瘍である。今回我々は，ラブドイド形質を示す成分を含む組織像を呈した皮膚原発の悪性黒色腫を経験した。患者は80歳代女性。3か月前から出現した左前腕の1.5 cm大のドーム状腫瘤を切除された。病変には通常型黒色腫，線維形成性黒色腫の成分の他に，広い好酸性細胞質，核偏在を示す類円形異型細胞がびまん性に増殖する成分が連続性に認められ，この成分はラブドイド形質を示す黒色腫と診断した。過去に報告された同様の症例を検討し，ラブドイド形質を示す黒色腫の特徴をまとめた。

キーワード:skin, rhabdoid melanoma, malignant melanoma, histopathology, immunohistochemistry

A case of primary cutaneous malignant melanoma with rhabdoid feature

Munekazu Matsumoto¹, Kazuhiro Kobayashi¹, Natsuko Suzui¹, En Shu², Hiroaki Iwata², Tatsuhiko Miyazaki¹

¹Department of Pathology, Gifu University Hospital
²Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine

（論文受付:2022年6月2日）

（採用決定:2022年10月23日）