総　　説

シェーグレン症候群の病理診断

大塚　邦紘^1,2　　　常松　貴明¹　　　石丸　直澄^1,2

（¹徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔分子病態学分野，²徳島大学病院病理部）

要旨: シェーグレン症候群（Sjögren’s syndrome:SS）は極めて複雑な病態を呈する自己免疫疾患の一つで，外分泌腺に加え腺外にも病変が広がるために，多彩な臨床症状が特徴である。口唇腺組織生検による病理組織診断はSSの診断には欠かせない検査項目の一つであるが，加齢などの種々の要因により病態に修飾が加わることもあり，診断が困難な場合もある。本稿では，SSの病態，診断ポイントに加え，新たな診断マーカーの可能性について解説する。

キーワード:Sjögren’s syndrome, focal lymphocytic sialadenitis, exocrine gland, lip biopsy

Pathological diagnosis of Sjögren’s syndrome

Kunihiro Otsuka^1,2, Takaaki Tsunematsu¹, and Naozumi Ishimaru^1,2

¹Department of Oral Molecular Pathology, Tokushima University Graduate School of Biomedical Sciences
²Department of Pathology, Tokushima University Hospital

（論文受付:2022年 8月 4日）

（採用決定:2022年 9月 7日）