総　　説

肺癌WHO分類:2021年第5版における改訂点

元井　紀子　　　飯塚　利彦　　　西村　ゆう

（埼玉県立がんセンター病理診断科）

要旨: WHO胸部腫瘍分類第5版が2021年に改訂され，日本肺癌学会からも新分類の使用が推奨されている。第5版は，第4版の基本分類を踏襲しているが，腺癌の悪性度分類の提唱，分類の再編成，新規疾患の掲載など変更された部分もある。本稿では，肺癌の組織分類についてWHO分類第4版（2015年版）からの変更箇所を中心に，日常診断で注意すべき要点，新規に取り入れられた疾患等について解説する。

キーワード:lung cancer, thoracic tumor, WHO classification

Update of lung cancer classification;essential revision points of 2021 WHO Classification of Tumours （5th edition）:Thoracic Tumours

Noriko Motoi, Toshihiko Iizuka, and Yu Nishimura

Department of Pathology, Saitama Cancer Center

（論文受付:2022年 5月17日）

（採用決定:2022年 6月 3日）