総説

胆管腫瘍病理

内藤　嘉紀¹　　　草野　弘宣²　　　金城　賢尚³
中山　正道³　　　矢野　雄太³　　　三原勇太郎³
近藤礼一郎³　　　秋葉　　純¹　　　中島　　収⁴
矢野　博久³

（¹久留米大学病院病理診断科・病理部，²国立病院機構小倉医療センター病理診断科，
³久留米大学医学部病理学講座，⁴久留米大学病院臨床検査部）

要旨: 胆道とは，肝臓から十二指腸乳頭部までの胆汁流出路の総称であるが，2019年WHO消化器腫瘍分類では胆管に発生する腫瘍性病変として知られる肝内胆管癌や胆管内乳頭状腫瘍の新たな組織分類が示された。本邦でもWHO分類に示された組織分類を活用すると想像されるが，これまで用いられてきた胆管腫瘍の組織分類との違いがある。本総説では，胆管発生の腫瘍性病変の形態病理像を中心に解説し，日常診療への情報提供としたい。

キーワード:Bile duct, Biliary tumor, Intrahepatic cholangiocarcinoma, extrahepatic cholangiocarcinoma, biliary cytology

Pathology of Biliary tumors

Yoshiki Naito¹, Hironori Kusano², Naoyoshi Kinjyo³, Masamichi Nakayama³, Yuta Yano³, Yutaro Mihara³, Reiichiro Kondo³, Jun Akiba¹, Osamu Nakashima⁴, and Hirohisa Yano³

Departments of ¹Diagnostic Pathology and ⁴Clinical Laboratory Medicine, Kurume University Hospital
²Department of Diagnostic Pathology, National Hospital Organization Kokura Medical Center
³Department of Pathology, Kurume University School of Medicine

（論文受付:2021年11月4日）

（採用決定:2021年12月3日）