総説

唾液腺細胞診ミラノシステム
─概要の解説と導入のポイント─

樋口佳代子

（沖縄協同病院病理診断科）

要旨: 唾液腺細胞診では腫瘍性病変の正確な拾い上げが最も重要である。唾液腺細胞診ミラノシステムはこのような特性に対応した国際標準の唾液腺細胞診報告様式である。不適正，非腫瘍性，意義不明な異型，腫瘍性（良性腫瘍および良悪性不明な唾液腺腫瘍），悪性の疑い，悪性の6つの診断区分より構成され，各区分の悪性のリスクと臨床対応が記載されている。国内での検証の結果，実用的で腫瘍性のリスクの層別化や継続的な精度管理の指標としても有用であることが立証された。国内での普及が望まれる。

キーワード:salivary gland, cytology, the Milan System for Reporting Salivary Gland Cytopathology

The Milan System for Reporting Salivary Gland Cytopathology
─Overview and key points of introduction─

Kayoko Higuchi

Department of Surgical Pathology, Okinawa Kyodo Hospital

（論文受付:2021年11月3日）

（採用決定:2021年12月3日）