症例報告

リンパ節転移および異所性膵を伴う十二指腸神経節細胞性傍神経節腫の1例

山�普@文子¹　　　西　　　明²　　　平戸　純子³

（¹群馬大学大学院医学系研究科病態病理学講座，²群馬県立小児医療センター一般外科，
³公立富岡総合病院病理診断科）

要旨:十二指腸に発生した神経節細胞性傍神経節腫（gangliocytic paraganglioma : GP）の1例について報告する。31歳男性で，粘膜下腫瘍として発見され，腹腔鏡下摘出術とリンパ節郭清を行った。腫瘍はリンパ節転移を伴っており，また腫瘍内に異所性膵組織を認めた。本例は腫瘍の起源の一つとして推察されてきた異所性膵組織との移行像を認める希少な例と考える。また，良性腫瘍と考えられているが，本例のようにリンパ節転移を来す例も稀に存在する。腫瘍の発生や悪性度について文献報告例も含め考察する。

キーワード:duodenum, gangliocytic paraganglioma, lymph node metastasis, ectopic pancreas

A case of duodenal gangliocytic paraganglioma with ectopic pancreas and lymph node metastasis

Ayako Yamazaki¹, Akira Nishi², and Junko Hirato³

¹Department of Pathology, Gunma University Hospital
²Department of Surgery, Gunma Children’s Medical Center
³Department of Pathology, Public Tomioka General Hospital

（論文受付:2021年1月26日）

（採用決定:2021年7月22日）