原著

明細胞髄膜腫の病理組織学的特徴に関する検討―診断の要点

清水　絹恵¹　　　中里　洋一^1,2

（¹医療法人社団日高会日高病院病理診断科，²群馬大学名誉教授）

要旨: 髄膜腫の稀な一亜型である明細胞髄膜腫について，4例の病理組織学的検討を行った。腫瘍細胞はグリコーゲンに富む淡明な細胞質を有し，腫瘍間質には石綿状膠原線維を含む線維構造が豊富に認められた。線維構造中には松毬状類結晶物が散見され，分析電子顕微鏡法にてアルミニウムが検出された。また免疫組織化学的には，SMARCE1蛋白の欠損が示唆された。これらの特徴は明細胞髄膜腫の診断に有用な所見と考えられる。

キーワード:brain, clear cell meningioma, pinecone-like body, SMARCE1

Histopathological features of clear cell meningioma:diagnostic clues

Kinue Shimizu¹ and Yoichi Nakazato^1,2

¹Department of Pathology, Hidaka Hospital
²Professor Emeritus, Gunma University

（論文受付:2020年4月30日）

（採用決定:2020年7月20日）