総　　説

病理医からみた癌取扱い規約の問題点とその解決に向けての提案

中峯　寛和

（日本バプテスト病院中央検査部）

要旨: 日本国内での腫瘍の病理診断に必要とされる癌·腫瘍取扱い規約は，現在27種類ある。これら規約間の不統一に加え，それぞれの規約の改訂による内容の複雑化，判定項目の増加などにより，現場の病理医の負担は増加しつつある。規約間の不統一については，日本病理学会をはじめとする学術会議が改善に乗り出しているが，日頃筆者が感じている問題点を，規約全般に共通するものと個々の規約に関するものとに分けて列挙し，改善への提案を述べた。なお，個々の規約については，日常業務で使用される頻度が高い消化管癌3規約を中心とした。

キーワード:general rules for cancer management, problem, burden to front-line pathologist, WHO tumor classification, proposal to improve

Problems in general rules for clinical and pathological management of cancer and proposals for their solutions by a pathologist

Hirokazu Nakamine

Department of Laboratory Medicine, Japan Baptist Hospital

（論文受付:2019年8月14日）

（採用決定:2020年1月21日）