症例報告

レニン免疫染色陽性のオンコサイトーマの1例

奥村　結希¹　　　�燒�　　桂¹　　　下山　芳江¹
中村　栄男¹　　　都築　豊徳²　　　長嶋　洋治³
中黒　匡人¹

（¹名古屋大学医学部附属病院病理部，²愛知医科大学病院病理診断科，³東京女子医科大学病院病理診断科）

要旨: レニン産生腫瘍/傍糸球体細胞腫（RPT/JGCT）との鑑別に難渋したオンコサイトーマの1例を報告する。オンコサイトーマは豊富なミトコンドリアを有する好酸性細胞からなる良性上皮性腫瘍である。RPT/JGCTは傍糸球体装置由来のレニン産生性の稀な腫瘍である。症例は高血圧を伴う69歳男性の左腎腫瘍。腫瘍は好酸性腫瘍細胞が胞巣状，ロゼット様に増殖していた。組織所見およびミトコンドリア免疫染色の所見から最終的にオンコサイトーマと診断したが，本例のようにレニン免疫染色陽性のことがあり，慎重な鑑別が必要である。

キーワード:kidney, oncocytoma, renin producing tumor, renin

A Case of a Renin-Immunoreactive Renal Oncocytoma

Yuki Okumura¹, Kei Kohno¹, Yoshie Shimoyama¹, Shigeo Nakamura¹, Toyonori Tsuzuki², Yoji Nagashima³, and Masato Nakaguro¹

¹Department of Pathology and Laboratory Medicine, Nagoya University Hospital
²Department of Surgical Pathology, Aichi Medical University Hospital
³Department of Surgical Pathology, Tokyo Women's Medical University

（論文受付　2019年1月21日）

（採用決定　2019年7月18日）