総　　説

褐色細胞腫，パラガングリオーマの診断と新WHO分類

木村　伯子

（国立病院機構函館病院病理診断科）

要旨: WHO2017の分類はすべての褐色細胞腫·パラガングリオーマ（PPGL）は転移の可能性を有する悪性腫瘍であると考え，ICD-O code /3（悪性腫瘍）を付与し，病理診断は転移に対するリスク分類が好ましいとした。GAPP分類は転移の危険度と患者予後の相関を判定する唯一の分類である。
　PPGLの約30%は感受性遺伝子が判明し，中でもコハク酸脱水素酵素複合体IIのサブユニット（SDHx）の変異は転移や多発に深く関与している。SDHBの免疫染色はSDHxの変異を推定する補助診断として有用である。

キーワード:pheochromocytoma, paraganglioma, GAPP, metastasis, SDHB

Pheochromocytoma and paraganglioma update based on WHO 2017

Noriko Kimura

Department of Diagnostic Pathology, National Hospital Organization Hakodate Hospital

（論文受付　2019年5月31日）

（採用決定　2019年8月3日）