総　　説

精巣腫瘍取扱い規約第4版─ここが変わった！─

森永正二郎

（日野市立病院病理診断科）

要旨: 2018年8月に上梓された精巣腫瘍取扱い規約第4版における組織分類は，WHO分類第4版（2016年）と完全一致させたものに大きく変わった。主な改訂点は次のとおり。�@旧規約の“精細管内悪性胚細胞”は，“GCNIS”に名称が変わった。�A胚細胞腫瘍はGCNIS由来胚細胞腫瘍とGCNIS非関連性胚細胞腫瘍に大別された。�B奇形腫と卵黄嚢腫瘍はGCNIS由来胚細胞腫瘍の思春期後型と，GCNIS非関連性胚細胞腫瘍の思春期前型に分けられた。�C精母細胞性セミノーマは精母細胞性腫瘍と名称が変わり，GCNIS非関連性胚細胞腫瘍に分類された。また，組織学的治療効果判定基準もグレード分類からカテゴリー分類に改訂された。

キーワード:testis, classification, germ cell tumor, sex cord-stromal tumor

New histological classification of testicular tumor in the general rule for clinical and pathological studies on testicular tumors, 4th edition

Shojiroh Morinaga

Department of Diagnostic Pathology, Hino Municipal Hospital

（論文受付　2018年12月10日）

（採用決定　2019年2月21日）