症例報告

若年性皮膚筋炎に発生したEBウイルス関連平滑筋腫瘍の1例

吉村かおり¹　　　池田　博子¹　　　横山　理菜¹
阪口　真希¹　　　原田　憲一²　　　野島　孝之¹
大井　章史^1,3

（¹金沢大学附属病院病理診断科，²金沢大学医薬保健研究域医学系人体病理学，³同　分子細胞病理学）

要旨: 症例は，若年性皮膚筋炎に対して免疫抑制治療中の26歳男性。肝多発腫瘤を指摘され，肝針生検が施行された。組織学的に，平滑筋系マーカーが陽性となる紡錘形細胞が増殖しており，EBER-ISHがびまん性に陽性であった。Epstein-Barrウイルス関連平滑筋腫瘍と診断された。免疫抑制剤減量により，腫瘍結節の多くは縮小した。本疾患はAIDSや臓器移植後患者での発症がよく知られている。自己免疫疾患を背景とする症例の報告は少なく，文献的考察を加え，報告する。

キーワード:Liver, EBV-SMT, immunosuppression, autoimmune disease, histology

A case of Epstein-Barr virus associated smooth muscle tumor in the patient with juvenile dermatomyositis

Kaori Yoshimura¹, Hiroko Ikeda¹, Rina Yokoyama¹, Maki Sakaguchi¹, Kenichi Harada², Takayuki Nojima¹, and Akishi Ooi^1,3

¹Section of Diagnostic Pathology, Kanazawa University Hospital
Departments of ²Human Pathology and ³Molecular and Cellular Pathology, Kanazawa University

（論文受付　2018年1月24日）

（採用決定　2018年5月7日）